1985/12/26号の雑誌「週刊ザ・プロレス」に1985/12/12に行われた「デビル雅美vsダンプ松本 WWWA世界シングル」に関する記事がありましたので引用します。
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デビル 涙の二冠女王
ジャガー欠場! 王座返上のハプニング
代打、ダンプ破り「WWWA世界」奪う
「ジャガー横田選手が、前日の試合で右肩を脱臼、試合に出場できないため、WWWA世界王座を返上しました」
植田コミッショナーの発表にファンから大きなドヨメキが起こった。
WWWA世界王座とオールパシフィツク王座をかけた横田とデビルの因縁の一騎打ち。その決戦に期待して4,500人の大観衆が集まったのだ。ドヨメキには失望の念が込められていた。が、その声が消えさらぬうちに、今度は歓喜の喚声が沸きあがった。同王座の決定戦を、デビルが、飛鳥とダンプで抽選をして権利を得たほうとの間で行うというのだ。世紀の一戦は消失したが、デビルvsダンプ、飛鳥戦もファンにとっては夢の一戦だ。
はたして、王座決定戦への権利をつかむのは飛鳥か?ダンプか?
植田コミッショナーが握る二本のクジ・・・。ダンプが高々と右手を突き上げた。クジの先には赤い印がついている。権利を得たのだ。
ダンプは、デビルに対して憎しみの気持ちしか持っていない。デビルが一方的に軍団を解散して、親分を失ったダンプは自分の力でここまで極悪同盟を大きくしてきた。いつの日か裏切り者を制裁してやる――そう心に誓ってきたダンプに絶好の舞台が訪れたのだ。ダンプの攻撃は非情だった。デビルの目に指を突っ込み、メリケンサックチェーンをまぶたの上から目に叩きつけた。目を潰されたデビルの攻撃は、ことごとく空を切る。ロープづたいに逃げるのがやっとの状態だ。
その背後からダンプは忍び寄り、石油カン、イスで頭を殴りつける。ヒザを折って崩れ落ちるデビルにダンプは、勝利を確信していた。この一戦は、デビルからの申し入れでオールパシフィック王座もかけられており「二冠王だ女子プロを制した」とー。
だが、デビルは驚異的な生命力で地獄から甦ってきた。ダンプの動きが一瞬止まったこのスキにヘッドバットを連打。場外に叩き落として鉄柱に直撃ロープ最上段に登って5メートルダイブの人間ロケットを見舞った。
デビルの予想外の反撃に、ダンプはブルの加勢を借りて合体ラリアートを叩き込む。これを見て、ブルが続けてボディースラム、ダンプがコーナーに上がった瞬間、山崎がリングに駆け上がってブルをカット。デビルはダンプを肩車の態勢につかまえると、そのまま後方に倒れる変形のバックドロップ後頭部をしたたか打ったダンプはピクリとも動かず、デビルが大逆転のフオールを奪った。
念願のWWWA世界のベルトを奪取二冠王になったデビル。横田の祝福に涙を流して喜びをかみしめていた。
デビルの話=今日は、ぜひともジャガーさんと試合をやりたかった。お互いこの一戦にかけていただけにジャガーさんの気持ちは痛いほどに分かりますでも、その分、ジャガーさんが私の心の中にいて二人で戦っているようで、負けるわけにはいかなかった。レスラーになった以上、このWWWA世界のベルトを巻くのは夢。とてもうれしいもちろん、ジャガーさん、ダンプ、飛鳥、誰の挑戦でも受けます。
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試合前に公開のくじ引きがあったんですね。
そのくじ引きは、どう考えてもダンプが赤のついたものを引くように松永兄弟と仕組んでいたとしか思えませんが・・(^^;
臨場感を出すためにそこまでやるかって感じです。
どちらが先にクジを引いたのか分かりませんが、たぶん飛鳥も説得させられたのかなぁと思います。
WWWAには挑戦したかったはずですから。
ということで写真を拡大してみてみます。
目に指のツッコミ方がうまいです。
またヒザには青いドクロのようなガイコツが描かれています。コンドル先生の素晴らしいアートです。