覚えて忘れて | バイクと自転車と本と

覚えて忘れて

大学院のときからテレビはあまり見ていなかったので、
社会人になってからも特に買う気にならず、
気が付いたら3年が経っていた。


情報、という点で今ではネットがあれば事足りるが、
自分の興味のない情報や、意図しない有益な情報まで含めて、
不特定多数の情報が流れているテレビは、
使わなくなって思うと、不思議な家電だ。

ネットだけだと、自分の欲しい情報しか拾わなくなる。
各新聞サイトの一面と日経の社説春秋を基本にしているものの、
それでは、自分の視野が狭くはならないか。

と、
思いながら過ごしてきたが、
一方で、
人間は、毎日毎日、色々な事を見聞きして、同時にその大半を忘れていく。
とも考える。


子供の頃、
子供大百科、みたいなでかい本を買ってもらって、
何か知らない事がある度に、その本で調べた。
言葉に関しては、広辞苑が役に立ったし、知らない事を知るのは楽しくて、自分が充実する気分だった。

ただある時点から、
自分が記憶した情報の幾らかが、時間が経つと忘れていく事実に気付く。
「これは面白いから、絶対に覚えておこう」と強く思った事も。

勉強じゃなくて、自分自身が興味を感じて調べたことがだ。

テレビではトリビアに始まり、今でも色んな情報番組がやってるけど、
99%は忘れる情報だ。
それでも1%は、、、などというのはまぁ詭弁で、ほとんど全部忘れるってこと。



それは今でも感じる。
きのうの日記で書いた、「セーブして終了」もその内の一つだ。
何も知識だけじゃない、
運動の動作の感覚や精度も、すぐに忘れてしまうのだ。


まぁ、イヤな事があっても忘れられるんだから、
人間のこの機能も生きるうえでは必要なんだろうけど、
最近はその虚しさの方が強く感じる。

小説を読んでても、
その時知った新しい価値観や考え方とか、
忘れたくはないんだけど、忘れてしまう。



だから、
何度も繰返すと。好きな事、出来るようになりたいこと、忘れたくない事。

そうやって何十年も過ぎた後に残ってるモノってのは、
自分にとっては貴重な事なんだろうなぁと思う。



何が残るのか。何を残すのか。


連休最後の日に読んだ小説は、
川端裕人「今ここにいるぼくらは」
感想は後日。

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