札幌円山のジャズ喫茶「GROOVY」に月替わりで飾られる3枚のジャケット。新春は干支に因んだものだ。是非お店を覗いてご自身の目で確かめて欲しい。その中からデクスター・ゴードンの「Dexter Rides Again」を聴き直した。愛称デックスの初リーダー作で、一目で「SAVOY」とわかるカバーも今となれば懐かしい。
1945年から47年の3つのセッションを収録している。時代はビ・バップ真っ只中。メンバーが凄い。タッド・ダメロンにバド・パウエル、サディク・ハキム。ドラマーも勢揃い。アート・ブレイキー、マックス・ローチ、エド・ニコルソン。SPに録ったものなので3分ほどの短い演奏だが、的を得たアドリブに唸る。録音時間が長いLPだと起承転結も容易だが、SP尺でメリハリを付けるところが凄い。この時メンバーのほとんどが20代前半。俺たちがジャズの明日を切り拓くという熱意がひしひしと伝わってくる。
この後、「Dial」、「Decca」、「Dootone」、「Bethlehem」、「Blue Note」、「Prestige」、「MPS」、「Black Lion」、「SteepleChase」、「Columbia」とレーベルのデパートの如く録音が続くが、骨太で力強い音と哀愁溢れるフレーズはいつの時代も変わらない。更に86年には映画「ラウンド・ミッドナイト」で主役を務め、アカデミー主演男優賞にノミネートされた。フリー、フュージョンとジャズ・シーンが変わろうと競走馬の如く自らのスタイルで疾走した愛すべきテナーマンである。
さて、デックスの私生活は・・・結婚歴は3回。付き合った女性は参加アルバム数よりも多いだろう。ジョニー・グリフィンが共演したとき、ステージに現れないので楽屋に行ったら訪れたファンが馬乗りに・・・ダンディズムで色香もある。もてるのは当然だろう。それに馬並みとか。うらやましい限りである。
