映画「月のこおり」が先週21日に封切られた。札幌を舞台にすみれ演じるジャズシンガーの成長と今井翼演じる写真家との恋模様を描いている。お馴染みの観光地やホテル、レストランでロケが行われ、小生が根城にしている老舗ジャズクラブ「DAY BY DAY」でも撮影された。オーナーでありシンガーの黒岩静枝がすみれの師匠役として出演している。
撮ったのは昨年10月で、店の客席を埋めるエキストラとして初めて映画の現場を見ることができた。常連が集まり店の外で待機していると程なく「エキストラの皆さん。どうぞ」の声で客席に着く。大小のカメラや照明、集音マイク等が所狭しと並び、足元は配線が迷路のように巡る。20名ほどのスタッフが慌ただしく細部をチェックしている。ミュージシャンに15名ほどのお客。店は熱気に包まれた。
いよいよ撮影だ。助監督のカチンコが鳴ると緊張が走る。堂野アキノリ監督の「カット」が飛ぶ。その度、すみれのメイク係が駆けつけ素早く整える。プロの仕事は気持ちいいほど鮮やかだ。監督が演技を細かく指導し、良かった所は褒め称える。俳優はこうして成長するのだろう。映画に使われたシーンは数分だったが、準備から撤収まで3時間である。映画制作は時間がかかると聞いていたが、スタッフの労をねぎらいたい。
エキストラに呼ばれただけに自身がスクリーンに登場するのを期待したが、残念ながらアングルの関係で陰になり写っていなかった。それでもエンドロールでエキストラの皆さんの中に小生の名前があっただけで嬉しい。この部分だけもう一度見たくなった。
