最近のニュースで他人のパソコンを遠隔操作して脅迫メールや書き込みの犯行による誤認逮捕が多数発覚したことが話題になった。遠隔操作ソフトをダウンロードさせて、遠隔操作による犯行後、ソフトそのものを削除して証拠を隠滅するという巧妙なものだったという。真犯人の犯行声明なども劇場犯的で捜査当局の混乱と失態は、単なる誤認逮捕を超えて自白強要による冤罪までもたらしているようだ。
また、尖閣諸島問題で日中関係悪化の際に最高裁ホームページのハッキングなどの被害も記憶に新しい。捜査機関のPCに関する技術的知識の低さを物語るが、防衛省でハッカー募集の記事もあったが、そもそもサイバー犯罪対策の全国的統一的な専門的機関の早急な設置と人員の確保養成が必要であろう。現状の捜査機関は、民間のネットセキュリティ会社より劣る。
「なりすまし」は、不正アクセス防止法が制定された12年前から他人のパソコンを「踏み台」にした手法もあったし、他人のIDを不正利用する古典的方法だけを念頭においていては、現代のサイバー犯罪対策では不十分である。現在のWindowsOSやMacOSが遠隔操作機能を持っているのであり、この悪用はさほどの専門知識がなくても既存のツールの利用で可能である。
もっとも、根本は、匿名性と技術の悪用をことさらに行うこと自体、しかも、罪をなすりつける悪質さが責められるべきことである。
なお、サイバー犯罪の刑法及び捜査法上の 解釈運用問題は別に機会に論じたい。