そっかー

もう一周忌なんだ・・・

 

 

この『秀山祭』はその吉右衛門がずっと大切にしていた歌舞伎だそうな。

 

今回二部三部に、ええ、もはや参戦と言おう。

さすがに二部は三階席だったが、

三部は久しぶりに二階西桟敷席

 

 

↓花道がこんなカンジに見えます!

 

 

『松浦の太鼓』(まつうらのたいこ)

吉良邸のご近所さんの殿さまの物語。

もう、仇討ちをいつやるかいつやるかと楽しみ?にしていて

実は浪士の妹を側室にしているのだが(動機いたって不純)

どうやら仇討ち、何の気配もないので逆ギレ

「お前の顔など見たくない」と暇を出すのだが

一転、仇討ちが行われたとなるとコロッと変わり

挙句「助太刀いたす」と馬を出すが家来に止められ・・・

そりゃそうだ、それでは下手すると浅野の二の舞。

ちと、ではなくかなり面倒な殿さまなのである。

この殿さまをずっと吉右衛門がやっていて

それを白鸚が初役で受け継いだそうな。

いつも思うがこの方の声、決して張り上げるわけではないのに

どうしてこう、三階席までぐおーとしっかり届くのであろうか。

 

米吉が結果振り回される妹で、

家来のひとりに染五郎がっ!!

このふたりの美しさに乾杯シャンパンキラキラキラキラ

 

『揚羽蝶繍姿』(あげはちょうつづれのおもかげ)

いろんな名場面のダイジェスト・・と言ったところでしょうか。

楽しいです。

(ああ、あの『お紺殺し』の因縁ね・・・)とか

(これ、顔がすっぱりとか、エグい演出だったんだよなぁ・・)とか

 

『仮名手本忠臣蔵~祇園一力茶屋の場』

(かなてほんちゅうしんぐら)

忠臣蔵の物語。

遊び呆けている由良助、実は・・・

そこに忠臣蔵トップクラスの「間の悪さ」を誇るおかる勘平ペア

てこの時点では勘平は死んでるのだが

仁左衛門がどやっぷり満々な由良助。

さらにそれを上回った感ありありな海老蔵。

海老蔵、若干ちむどんどんニーニーテイストを絡ませていたような爆  笑

 

『藤戸』(ふじと)

で、今回すばらしかったのはこれですよ、これ。

菊之助です。

て、「ほのぼのさんは元々菊之助贔屓だからでしょ」と思ったそこのアナタ

おおまちがいです

 

平家滅んだ後、領主としてやってきた又五郎盛綱。

そこに、合戦の際、息子を盛綱に殺された菊之助母がやってきて。

息子、武士じゃなかったんですよ。

ただの漁夫で、しかも合戦のとき盛綱軍に馬でも渡れる浅瀬を教えた後で

盛綱自身に殺されたと言う・・・

ほら、その昔お城の大事な部分を作った大工が

完成後秘密が漏れないように殺される的な?

なんじゃそれ?

そりゃあ恨むわさ。

 

菊之助が切々と、セリフと踊りで訴えます。

どんなにいつくしんで育てたか、

大きくなって漁夫となり、どんなに嬉しかったか・・・

そしてどんなに今、悲しいか・・・・

もうね、たぶん幼い頃の話なのだろうが

よしよし、て寝かしつけたりおんぶをする仕草

ええ、もちろん人形とか使ってるわけじゃないのに・・・

私には小さい子どもが見えました、確かに。

 

それを盛綱ってば

「不憫ではあるがそれが戦のならいだ」と。

なんか「金は出す」的な発言もありました。

こんなばかにした話ってありましょうか?

 

母、というか菊之助はその後悪龍となって暴れまわるのだが

でもって最後は盛綱の祈り?てか、神のご加護?で封じられるのだが

これって菊之助、じゃなくて、母が悪い話ですか?

まさか母はこれで地獄に堕ちるんですか?

 

と、なんだか怒りだか愛おしさだか悔しさだかなんだかわからん感情がぶわーって。

ええ、私、泣きました。

隣の見知らぬ女性と、あと隣のボックスのカップルの男性がけげんにこちらをうかがってくるほどに。

 

今回、ほら、二階桟敷席で、花道でも結構こちらを向いたりもしたので

表情も肉眼でよく見えたから余計に感情移入、てのもあったんだろうけど

でも、指の先の先まで、まなざしひとつ、口元ひとつ、

どれをとってももう素晴らしいのひとことに尽きた。

最後の花道のひっこみも、もうすばらしいのなんのって。

ぐるぐるぐるぐるまわっての揚幕フィナーレ。

ああ・・・全部が見おろせるこの席で良かった・・・・

 

これも吉右衛門がなんでも奉納歌舞伎で初演したものだそうな。

そうよね。

神さまもこれを観て、なんかいろいろと考えてほしいわ・・

 

 

 

 

ランチはザギンでドンテン・・ておーい爆  笑雷

ちょっと奥さま、平日ランチとは言え、

これで1000円ですわよ!ちなみに「阿部」というお店です。

ほぼカウンターのみの小さい地下のお店なのだけれども

ごはんもたっぷり、でもタレが美味しくて完食。

かき揚げもふわっとしてて、でもって上に「半熟卵の天ぷら」が。

だから潰すとじゅわぁ~♪て黄味が広がって・・・

ああ、これぞ幸なり