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この時期、私の世界には『もや』がかかる。

目はかゆいし、鼻水だらだら、鼻から脳天にかけてなんだかのぼせたような気分が抜けない・・・
・・・人はそれを『花粉症』と呼ぶ。

周囲がやたら花粉だアレルギーだと騒ぎ出した、あれはまだ私が20代の頃、
私はそういうものとは全く無縁の生活で、
「花粉症なのよ・・・」その言葉に何か、憧れにも似た、都会的なアンニュイさすら感じてしまい、
なんだか自分にないデリケートさとか繊細さを責められているような気もしていたくらいだ。

今にしてみれば『大きな勘違い』もはなはだしい。
30歳を越えたある日、ヤツは突然私に襲い掛かった。

鼻の奥になんだか小さな虫がたくさんぞわぞわしている・・とでもいうのか?
鼻水はかんでもかんでもとぎれることがなく、
もうこれは『脳みそ』出ちゃってるんじゃないかと泣きたくなる。
鼻の下はカサカサになって、もう、化粧どころではない。

だからといって、すっぴんではちょっとねぇ・・

という訳で、この時期、私はかなり怪しいいでたちで外出をする。

マスクは必需品である。

ところがところが、この『マスク』、使い出すとなかなか重宝なシロモノ。

まず、暖かい。
そして何より、化粧をしなくてもいいのがラクだ。
白状しよう、私は実は
『化粧がめんどくさかった』
真実はそうなのに、さも花粉症かのそぶりでマスクを使用したことがある。

ただ、それでごまかせないのが『目』そして『眉』
アイシャドーは、まぶたや目がかゆいのでうすめだが、その辺はマスカラでカバー、
眉はしっかり書いている。

だからこの時期、マスクをはずした私の顔は、なんだか化粧の気合がアンバランスで
相手がIKKOさんでなくても、ぶっ飛ばされモノのメイクなのだ。

だから表ではぜったいマスクはとらない。

ちょっと『口裂け女』の気分だ。