久しぶりの積雪の節分であった。

一人暮らしをしていた時も、豆まきはしていた。
実は私は、心のどこかで『鬼』とか『地獄』を信じていて
豆をまいてひいらぎとかを用意しないと
なんだか『よそで追い出された鬼』が来てしまいそうな気がして仕方がないのだ。

さすがに大声で「鬼はぁ~外ぉ~!!」とは言えなかったが。
しかも、どうしても後日のお掃除のことなどが頭にあるもんで
2~3粒ずつちまちまとまくシロモノ。
これで果たして鬼は追い出せたのかは今もって定かではない。

今は子どもがいるものでおおっぴらにできる。
家の中は一ヶ所につき2~3粒というのは相変わらずだが。
息子は幼稚園の時、『手にいっぱい握り締めてばらまく』ことに非常にカルチャーショックを受け
豆まきの輪に、どうしても入れなかった・・ということがあった。
すまない、息子。
だが言っておく。広い世の中に出たら、
そんな『我が家の常識は世間の非常識、世間の常識は我が家の非常識』なんぞたくさんある。
それごときでくじけるではない。

とにかく我が家の豆まき方針は変えるつもりはないから。

ただ、とうとう今年は「鬼はぁ~外ぉ~!!」の掛け声、
さすがの息子にも少し恥じらいが出てきたように感じられた。

夫は「あたりまえだ」とそっけない。

そろそろ
「やらねぇよ」なんて言われてしまう日も近いかも・・・
寂しいような、逆にいつまでも親と一緒に「鬼は外」でも困るような・・

母の心は複雑なのだ。