私の好きなテレビ番組のひとつに『熱中時間』というのがある。

15分の短い番組なのだが、
毎回いろんなジャンルの、何かに夢中の『熱中人』を取り上げるのだ。

昨日は『紙相撲熱中人』だった。

紙相撲とナメてはいけない。
ちゃんと協会もあり、親方がいて、力士がいて、
本場所や、番付表だってあるのだ。
新弟子検査も、昇進も基準がとても厳しくて
いまや本物の相撲界より『品格』が求められている・・・そんな世界だった。
彼らは『スカウト』と称して新しい力士を作り出し、
『稽古』と称して、紙をなじませる。

一時、息子がまだ幼稚園の頃、紙相撲に夢中になって、たくさん折り紙でこしらえて取組みさせていたが、
そんな子どもの遊びの先に、まさかこんな世界が広がっているとは・・・

熱中人(親方)たちは、自分の力士について、
少しでも強く、上へ上へと精進を重ねている。
「何もそこまで」というほどのこだわりと、熱い思いをもって。

私はこの、「好きで好きで大好きなんだよ」という『キラキラの瞳』に弱い。
それも、その対象がくだらなければくだらないほどに。

・・・・と、「くだらない」といっては語弊があるが、
何と言ったらいいのだろう、そこに世間体とか、計算とかが存在してない・・とでもいうのだろうか?
だって、例えばわかりやすく利益の損得で言うなら、
これはもう『損』の部類だろう。
「くだらないねぇ・・」と鼻で笑う人も多いだろうし。
家族にしてみたら、「そんな無駄遣いしないで、それにこの部屋、片付けてよっっ!!」だったりするかもしれない。

その『生産性や世間の理解度』が低ければ低いほど、瞳は輝きを増すような気がしてならない。

実は、夫は結構『凝り性』である。
好きなことはもう、とことん追求したり、調べたりしてしまう傾向にあるようだ。
普段は無口な方なのだが、
こと好きな分野だと、話し出すと止まらない・・ということがある。

内容自体は、それほどおもしろい訳ではない、というのは妻としてあるまじき発言かもしれない。

・・・だって、『深すぎる』んだもん。
素人の、ましてや興味がある訳でもない私が聞いてもよくわからないし、
しかもそれが話すにつれ、だんだん難しく細かく『専門的』になっていくのだ。

テレビかなんか見てて、ふと「ねぇ、これってどういうこと?」などと聞いたとしよう。

キラリン♪
夫の目が輝くときがある。
(しまった!)そう思ったときは既に遅い。
スイッチが入ってしまうのだ。

そんな時、私は心の中で、質問したことをちょっと悔やみながらも
キラリン目の夫が、とってもとっても嬉しそうなので
私までなんだか嬉しくなってしまって、ついつい話を聞いてしまう。

ただ、ごめんなさい、話の中身、あなたの妻はきっと半分も理解はしてないです。