相撲

初場所中である。

もう引退してしまったのだが、以前湊富士という関取がいて
私は大好きだった。

実は私はそれほど相撲が好きという訳ではなかった。
ただ、結婚したら同居のばあちゃんがエラい相撲が好きで一緒にテレビを観るようになり、
たまたま近所に彼がいる部屋があったということでなんとなくチェックしてただけなのだが
実に味わい深い、正統派押し相撲というか、
相撲が美しいのだ。
解説でもよくいわれていたが、身体もやわらかく、体型もぽっちゃりしてていかにも絵のような相撲取り。
何よりテーピングというものをしないところが美しかった。

成績だって、決して悪くなくて、２枚目までいったし、
金星だって、あの横綱貴乃花から連続であげたんだから。

・・・・その割りになんか地味というか、「あとひと押しあれば」との感はぬぐえず、
しかしまたそれがファン心をくすぐるというか・・・
とまあ、ホメてるんだかなんだかよくわからないが、とにかく大好きだったのだ。


息子だってちゃんと抱っこしてもらったんだから。

「子どもをお相撲さんに抱っこしてもらうと丈夫に育つ」
そういうではないか。

生後半年、今考えるとムリもないが、関取の大きさに大泣き。
今写真を見ても、関取もあきらかに弱って困っている。
私も入った写真もあるが、そんなふたりとは対照的に、母はそれはそれは満面の笑みを浮かべている。

お礼状を書いたら次の年に年賀状を頂いた。
大きな身体とは対照的なとっても小さな、丁寧な字だった。
その対応にますますファンになり、
我が家では「みなちぃ」とよび、家族全員で応援していた。
引退相撲も見にいった。
お土産の名入りの湯飲みは、写真とともに我が家の宝物である。
今でも時々解説に出ていて、テレビに映るとうちでは大騒ぎなのである。
その話し方がまた優しいというか、いい人という雰囲気が出てて
（ああ、この人に抱っこしてもらってよかった・・）
そう思うのである。


おかげで息子は大病もせず、丈夫に育っている。