2日3日と、家にいるときについついテレビで観てしまう。

独身の頃、ちょくちょくあのコースを通って箱根に行った。(もちろん乗り物に乗って)
そのときいつも頭に浮かんだのは
「なんでまたここを走ろうだなんて思っちゃったのかね?それもとんぼがえりで」
という素朴な疑問である。

私は、箱根の旅館の近所の散歩だけで根をあげる奴なのだ。

だいたいあのスピードはなんだ?
もう20年以上前、30人くらいで『マラソン世界記録に挑もう!』ということをした事がある。
200メートルのトラックを一周ずつリレーしてタイムを計るのだ。
結構みんな全力疾走で、でも、何回も順番が回ってくるうちにバテてきて
結局世界記録には遠くおよばなかった記憶がある。

そのときつくづく
「長距離ランナーは『化けもん』だ」と思った。

テレビで、本人だけのアングルで見ているとそれほど実感はないが
例えば、横で必死に走っている人とか、自転車を立ちこぎしている人とかがうつると
そのスピード感がやや伝わる。

しかし、そのスピード感が伝わる最たるものはやはり『現場』だ。

実は全然別のマラソン大会を沿道で見物したことがあるのだが
とにかく寒くて寒くて、なんだか歓声が近づいてきたと思ったら、
誰だか顔も判別できないほど、『あっ』という間に通り過ぎてしまうのだ。
その日はある有名ランナーが出場していて、私はかなりよいポジションでカメラを構えていたのだが
現像された写真には誰も写っていなかった。

沿道での応援を常としている方には申し訳ないが
さっぱりレースも把握できず、これはもうテレビで見るもんだと私は思っている。