ここ一週間ほど、のどの不調に悩まされていた。

ひと息吸うたびに

「せき込むんじゃないか」

という不安。

 

せき込まないよう慎重に息を吐く。

みぞおちのあたりがずっと

むずがゆいような不快感。

 

気管支に入ると長引く

どうかそうなりませんようにと

手遅れかも知れないけれど祈る。

 

 

守護神たちを一時たりとも手放せない。

 

思えば、息をするという作業を意識せずにできるって

とてつもない奇跡なんだな。

とてつもない幸せなんだな。

私はぜんそくでも何でもないのにそうしみじみ思う。

 

であれば、歌うなどという行為は

それこそ身体中の全器官の総合芸術なのではないか。

全細胞ひとつずつにぜひ顔を突き合わせて

全身全霊でお礼を述べたい気分だ。

 

ただ発声するだけでも一苦労だった

つい少し前。

一年半も声をロストしてやっと

取り戻しつつある昨今。

 

以前の声と同じにはならないようだけど

それでもそれも一つの味として

復活してきたところでこの恐怖。

 

それでもなんとか二日連続のライブを

やり遂げられた。

とくに一日目は格別に楽しいライブになった。

 

ただ、夜眠るのが怖かった。

薬に頼りながら歌い上げた翌日

突然声が出なくなったあの朝のことを

どうしても思い出してしまう。

 

でも今回はなんとか声が出た。

ありがとう私の身体。

 

私の肺、私の気管支

私の偏桃体

私の上咽頭

私の声帯

 

それを支えてくれたすべての私に感謝

楽しんでくれたお客様に感謝

一緒に作り出してくれたメンバーに感謝

お店に感謝

 

幸せすぎて死にそう(笑)