3つある職場のうちの一つでの話

 

たった数名全員女子の職場でひとり

私よりいくつか年下の先輩に

恐らく初めて出会ったリアルなサイコパス

(仮にサイ子ちゃんと呼ぶ)がいた。

 

念のため

サイコパスとは個性の一つであり

それであるがゆえに必ずしも人間関係に支障が生ずるとは思っていない。

扱い方を決定するための単なるラベリングと思っている。

 

まあだがしかし現実には

サイ子ちゃんが原因で辞めた人は

一人二人ではないらしい。

 

また、血液型占いの確度が如何ほどか知らないが

サイ子ちゃんはAB型。

裏表の激しさ、言うことがコロコロと

その場の状況で変わることから

「ああ、今日はAさんなんだね、昨日はBさんが出勤してたけど(笑)」

と、振り回される方が変な納得の仕方を覚えた。

 

彼女の実態を知るにつれて、私の中で

「血液型うんぬんではなく、彼女はサイコパスなのではないか」が確信に変わった。

それならそれで対応の仕方を変えていけば

付き合い方も改善できよう といろいろ試し

すこし関係が改善されてきたと思った矢先、

サイ子ちゃんは自らが掘った墓穴にはまり

私の努力もむなしく、職場を去ることになった。

 

こうなる少し前にサイ子ちゃんは身体の都合でひと月休んでおり

彼女に振り回されていた私達は

「もしやこのまま辞めるのでは?」

という淡い期待を寄せていたが、彼女の復帰でその期待は夢と消えた。

 

だから、復帰からわずか数か月で

ついえたはずの夢が叶うとは

誰も思っていなかった。

 

彼女が辞めることになった根本的な原因は

職場の人手不足が引き金になった休みの取得方法なのだが

人手不足については前々から

土日のみ出勤可能な人をせめて貼り紙だけででも募集するように

再三パートリーダーに掛け合っていたのだが

はなっから

「そんな都合のいい人いるわけない」とたかをくくって

聞き入れてくれなかった。

 

しかし、サイ子ちゃんが辞意を示したことを知って

方向転換。急遽職場の入り口に貼り紙をし

会社としても求人を打った。

 

するとたったの1日で面接希望者が現れ

それもサイ子ちゃんの穴を埋めるべく

土日の午後出勤可能な方という

ニッチな条件をクリアした

子育て卒業世代の明るい人を招き入れることになった。

 

もともと本当に辞める気はなく

留意と自由に欠勤する権利を引き出すために

辞意をちらつかせていたサイ子ちゃんは

引っ込みがつかなくなり

様々な嫌がらせや無断で備品廃棄するなどの

背信行為の限りを尽くして職場を去っていった。

 

困ればいいと、突然の有休消化に突入したにもかかわらず

こちらはまさに我が意を得たりといえる人物が即座に仲間に加わり

さぞかしおもしろくなかったことだろう。

 

お気の毒だが、ご自分の身から出た錆。

今更どうしようもない。

 

それにしても…

 

本当に求めれば与えられるものなのね。

今、私の職場はとても空気が澄んでいる。

みんな笑顔で働いている。

まさにオーダーどおり。