入院中は、痛みと吐き気の二択。

手術後は当然、外側も内側も痛いのです。

特に内側は外側よりも治りが遅く
刺し込むような痛みに襲われます。

そこで登場するのが痛み止めなのですが

これを服用すると今度は

吐き気ちゃんがやってきます。

もうパンシロンか太田胃散持ってきてくれえええって
言いたくなる。

でも、痛み止めも吐き気止めも
当然、薬物なので使用間隔が設定されており
のべつ飲み続けることはできないのであります。

そこで、痛みか 吐き気か
どちらかを選ぶことになるんでおま。


そんなところへ第二の敵の襲来。

罰当たりなことにそれは「食事」。

もうこんな状態だとゴーモン以外の何ものでもない。

身体の修復のための材料を体内に送ってやりたくても
なかなかできない。においがしてきただけでオプッとなる。



そこで、SOS。

来る人来る人すべてにフルーツを持ってきてもらった。

りんご、バナナ、柿、ブドウ…

そうなのだ。

私、フルーツスムージー歴4年めになるのだが
朝一からフルーツを摂らなかったことなんて
この入院中しかないのだ。

スムージー断ち10日なんて、この4年間で
一度もない!

むしろこういう時こそスムージーの力がほしいのに。

まあそれは無理なので、フルーツを差し入れてもらって
めいっぱい咀嚼する。

そのおかげで吐き気も少しずつおちついて
昼、夜は、半分ぐらいは食べられるようになったのだ。



腹膜炎も起こしていたので
とにかくお腹が全部パンパンに腫れていて
丸太のよう。

当然横隔膜が押し上げられ
息も意識しないと浅くなるので
すべてがうまくいかなくなる。

そんな中で
唯一、食欲を呼び起こしてくれたのが
フルーツだった。

本当に助けられた。

フルーツ、偉大!!!

帰宅して一番に娘からのリクエストもあったので
スムージーを作って飲んだ。

身体に沁み渡っていくのが分かるぐらいだった。

そして「復活っ!」宣言。


子どもの頃の風邪引きの思い出は
「桃缶」「みかんの缶詰」っていう人、
昭和生まれには多いと思う。

あれってまったく間違ってない。

まだフルーツが贅沢だったあの頃、
一番の正解だったと、今、改めて思う。


たとえ煮てあろうがシロップ漬けであろうが
当時の庶民が取りうる最善策だったと思うなあ…。



子どもの頃、病人のお見舞いにフルーツの籠盛りとか
持っていくのがちょっと不思議で仕方なかった。

なんか「見栄っ張りなお見舞い」に見えたのだ。

でも、今やっとわかった。

とにかく今回、身体が最悪の状態の時
一番に身体が欲しがったのは

フルーツだった。


ありがとう! フルーツ!!!