って みんな人それぞれあるんだろうと思う。
軍資金が無尽蔵でなければ。

ここ数年間ずっとごぶさたしていた
骨董品(というよりガラクタだけど)のオメメが覚めてきたみたい。

ごぶさたというよりは、実家の建て替えや、伯父夫婦の引っ越しに伴う
処分品で家が飽和状態になっていただけともいえるかもしれない。

自分の趣味にまったく妥協せず我が家にやってきた子達ばかりではないけれど
それでもとにかく「どうしても手に入れたい」と夜も眠れないようなことはなかった。

食器に関しては、息子が去年の春に東京へ行ってからは
料理らしい料理も作らないし、なんせ一人暮らしでは大皿の出番もない。

明日、東京へ帰ることにした息子は、昨日の夕食に姉を迎えに行った。
今回最後の3人おうちご飯。

たいしたものは作らなかったけれど、ガラクタの大鉢、小鉢、大皿一つを
久しぶりに出して盛り付けた。

人間の食卓ってそういえばこんなふうだったねー。と
実感してしまう自分にあきれる。

そして、あまりにも藍染付けばかりというのがちょっと不満に。

錦手の豆皿でもあれば丁度いいのに…なんて
困った虫がもぞもぞ…

そしてネットでオークションなどをチラ見してみる。
おおー! あわよくばとの思惑で、
とんでもないものたちが
とんでもない値段を付けて、
キレイに陳列されてるわねー。

ゼッタイ大正時代でしょ? と思われるようなものが
見事に全部「幕末」となっとるがな!

そんなこと言いながらも
気に入った子をどんどんカートに放り込む。

そして、「カートを見る」。
お気に入りたちをとくと眺める。
合計金額を見る。

笑う。

私はこれを3日ぐらい繰り返すことが多い。
そうすると、眺めてるだけで満足する場合のほうが多い。
実際にその金額を払おうと思うことは実は稀だったりする。

「カートイン3日の法則」と命名。

と、私はこんな風に物欲を宥めることが多いのだが
夕べはあっという間に納まったんだよね。

家の中を見渡しながら考える。

身の回りにあるものたち。
これは全部私が好きになってうちへ連れてきた子たちなんだよね。
あの子も、この娘も、その子も、私が愛してうちの子にしたんだ。

ああ、あそこにはあんなものが、ここにはこんなものがある。
どれもこれも子どもの頃には自分のものにできなかったものばかり。

そうか。欲しかったものがこんなに今私の周りにあるんだ。
なんだ、私は宝物に囲まれて暮らしていたんだね。
今まで忘れててごめんよ。

これ以上増やしたらもっと忘れてしまうね。

そうだ、あそこには、飽きたからお店に引き取ってもらおうと
数年前にまとめたままの箱がある。開けてみよう。

そこには、錦手はないけれど、上手ではないけれど
色を乗せた四角の小皿と、唐子が見込みに描かれた豆皿が一つあった。

「ごめんね」と謝って、ていねいに洗い、戸棚へ戻した。


次に3人でおうちご飯する時には何を作ろうか。
どの子に何を盛り付けようか。







でもちょっとだけ…
お店覗きにいくだけならいいよね…(オイ!)