ヘッドライトのチューンナップ
我が854(volvo 850 sedan)のヘッドライトは暗い。あまりの暗さにハイワッテージバルブを着けているが、それでも不満。ユニットを分解してレンズ部分の掃除はするものの、改善は見られない。原因は・・・そうリフレクタのくたびれである。昔のリフレクタは金属製でそれにクロムメッキをかけていたが、いつの間にか樹脂(ABS or ポリカ)にアルミ蒸着になっている。バイクの電装設計をやっていた当時(20年前だなぁ)、スクータで樹脂の採用が始まったんだ・・・。今は車も樹脂リフレクタである。んで、このアルミ蒸着メッキ。非常に弱い(そりゃ蒸着だもん)、一度曇れば回復は困難。ケミカルは効かず、拭けばメッキが剥がれてしまう。反射率は10年経過で50%程度まで落ちるらしい。そう言えば、昔、天体観測に凝って反射望遠鏡の作成を試みたことがある。15cmの鏡を磨き、AL蒸着メッキをし、そのメッキを長持ちさせるために表面に酸化膜を形成し・・・と計画し計画倒れしたっけ。AL蒸着は長持ちしないんだ。
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樹脂メッキが出来る業者は近所には無さそうだし。どうするか考えて、ALテープを貼る事にした。早速、ホームセンターでアルミテープを物色。反射率の高そうなのを探したが、特に優れたものは無い。ステンレステープも調べてみたが、同じような反射率。価格は3-5倍は違う。当然、ALテープ。
854は、ほぼ角2のヘッドライトでH4バルブ。リフレクタは上下を使わず左右方向のみ放物面を持つ効率の悪いタイプ。角型だからしょうがないけど、角のリフレクタを見るたびに、丸型ヘッドライトの効率のよさを実感する。フィラメントの光を360度拾うんだもんね。上下を使わない角型は、ほんともったいない。欧州車が丸型ヘッドに拘るのも分かるなぁ。只、上下面が光量に無関係なのでテープを貼らなくてもいいのは良かった。バルブ上部は、かなり温度が上がるのでアルミテープ粘着剤の耐熱性を心配していたのだ。

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覚悟を決めてテープを貼る。失敗して剥がしたところで従来のメッキが残っているはずも無く、覚悟を決めて作業を進めなければならない。3次元の放物面は、簡単にテープが貼れる筈も無く、皺だらけになるかもしれないし、反射率が高まらずまったく効果が無いことも有り得る。とりあえず今日は片側だけを実施して、未加工HLとの差を確認してから次のステップ移行を判断しよう。駄目でも、片側だけの費用で済むからね。貼り方は
① 緩やかな曲面は大きなテープ面、残りを適当なサイズのテープで埋めていく
② 短冊状にきったものを並べるか
まず①の方法でトライ。この方法はだめ。広いテープで貼り込むので他の部分に付いてしまうし、何より注意して貼っても皺が出来てしまう。仕方が無いので半分は②の方法。15㎜×200㎜切り、貼り込んでいく。これは旨くできた。皺が無い訳ではないが、①と比べればずっと綺麗。

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貼っては見たものの、なんか曇っている。そう、表面が鏡面では無いのでボケた感じなのだ。このままでは、今までと何にも変わらないだろう。んで、次は鏡面化の作業。まず、ピカールでテープ面を磨く。綺麗にはなるが・・・。次、ネバダール(アルミ磨き)を使ってみる。綺麗にはなるが・・・。綺麗になっても、すぐに曇ってはマズイ。考えて、ワックスで磨いてみる。お気に入りのオーリーで磨く。タオルが黒くなり、アルミが磨けているようだ。乾いてからふき取るとオオッ!結構いい感じ(実物はもっとギラギラ感が有る)。レンズをガラスクリーナーで磨いてヘッドライトを組み立てて854に組み付ける。

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5M離れて正面センターからの写真がこれ。バルブはブルーのH4。今回作業したのは左のヘッドライト。左のヘッドライトが青く写っているのが分かるだろうか。バルブを綺麗に反射しているからライト全体が青く写っているのだ。期待できるぞ!これは!