2021モデルのMT-07 クラッチやらハンドルスイッチやら | デュアルモーターサイクル

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出雲市のデュアルモーターサイクルのブログ。
鈴鹿8耐、全日本ロードレース、team T2y メカニック経験者

最近のモデルに採用されている「アシストクラッチ」

よく「スリッパークラッチ」と呼ばれていますが、スリッパークラッチはその機能だけですが、アシストクラッチは2つの機能を持ち合わせています。

詳しくはこちらから↓


2021モデルのMT07は普通のクラッチですが、つい最近国内で発表になった2022YZF-R7はこのアシストクラッチ構造が採用されていて、基本的にエンジンは共通なので、このアシスト機能をMT07に取り付けて見ようと思います。





海外では国内よりいち早く発売されていたので、海外サイトからパーツリストを入手。

そしてMT07のパーツリストとにらめっこ。



🟩のパーツがアシストクラッチにする為に必要なパーツ。

ちなみに4番と31番のフリクションプレートセットはどちらでもいいです。必要な枚数を用意すればOK。


そしてピンクの番号の部品はセッティングパーツとなります。

具体的には厚みの異なるサイズが用意してあります。


クーラントを抜いてホースを外してクラッチカバーを外します。


ノーマルを外すとこんな感じ


こちらノーマルクラッチボス


こっちがアシストクラッチボス。


この車両はまだ新車なので殆ど摩耗がありません。

ここからディスクプレートを使うので抜き取る前に全体の厚みを測定しときます。




走行中は反時計回りに回転します。

スライドするようになっているので、上の紹介HPにあるようにこれが押さえつけます。



リヤからの入力が一定の力を超えると時計回りにスライドして衝撃を緩和させます。




上がアシスト用、下がノーマル


確認しながら組み付けます。

クランクケースの合わせ目は念の為液体ガスケットを塗ります。

クラッチレバーの遊びが変化する場合もあるので調整し直します。


時々クラッチレバーの遊びが無い車両を見かけますが、遊びは絶対作って下さい。


概ね3mm程度。


クラッチが滑る原因になります。


何故か?


クラッチは上のパーツリストのように複数のパーツの組み合わせとなっています。走行すると熱膨張が起こり厚みが増えてレバーの遊びが減る方向になります。


話を変えて


MT07はもうひとつ

右下に見えるハンドルスイッチが元々付いていたスイッチ。


ネットで検索すると、このMT07乗りの多くの人はこのスイッチに不満があるようで、安っぽいとか操作しにくいとか。

こちらのオーナーさんも同じ思いらしく、ハンドルスイッチを交換しました。


チョイスしたスイッチはやはり兄弟車の2022YZF-R7のスイッチです。

カプラーも長さも異なるスイッチ。


スイッチボディから15cm程度の所でカットし、極力電気抵抗が少なくなる方法でハンダ付け。


ハンドル固定ボスの位置も異なるので、位置決めしてドリルで穴あけ。

スペース的に問題なく付きますが、ひとつ問題が起きます。


スイッチがひと回り大きくなった為今まで大丈夫であったタンクとのクリアランスが無くなってしまいハンドルを左にいっぱい切った時にタンクカバーにスイッチが当たってしまいます。


いくつか対策方法がありますが、今回は3mm厚のアルミカラーをハンドルポストとトップブリッジの間に挟んでクリアランスを確保しました。


タンクカバーとのクリアランスは約5mm位


見た目はこんな感じ。

ここには純正のワッシャーが付いてますが、目立たないようにアルミカラーの上に乗せて締め付けてます。


2mm位でも良かったかもしれませんが、ハンドルが振動対策のブッシュに取り付けてあるため、取り回しの時などでタンクカバーに当たる可能性も考えられるので、3mmとしました。


ちなみにサイズは内径M10×厚み3×外径21.76


ポッシュにあります。

外径は圧入してあるブッシュの外径に近いサイズを選んでます。


ハンドルパイプを固定しているボルトを緩めて少し上に上げる方法もありますが、僅かですがこれだとシートからハンドルが遠くなり肘も上がるので疲れやすくなると思い却下。


おまけ

タンクカバーを外す際、先ずはここのセンターパネルを外すところからスタートしますが、簡単に外れません。


チャレンジしたことある人なら分かると思います。


まず、シート下のボルト2本を外します。

それからシート側を上方向に持ち上げて「ツメ」が外れたら、上面は後ろ方向にスライドさせたら外れます。


がんばって🎶