芝生の復讐をテーマに、リチャード・ブローティガン風のシンプルな詩を10行で書いてください。
こんな無茶ぶりをしても、AI(ChatGPTとGemini)は瞬時に計算して、こんな詩を書いた。
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芝生の復讐 ChatGPT
芝生は何も言わない
ただ朝の水を覚えている
靴底が笑いながら通り過ぎたこと
犬と夏と無関心
夜 芝生は背を伸ばす
月に向かって小さな計算をする
明日 君の足首に
かすかなかゆみを残すために
それは復讐というより
緑のメモ書きだ
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芝生の復讐 Gemini
芝刈り機が 去っていった後、 芝生は何も言わなかった。
ただ、 夜の間に 少しずつ 成長し、 靴下の中に 忍び込もうと 計画している 緑色の沈黙だった。
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さらに、ChatGPTとGeminiに互いの詩を批評させてみた。すなわち、AIの書いた詩を別のAIに批評させてみた。
予想以上に、AIは饒舌だった。
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GeminiによるChatGPTの詩作批評
この詩は、ブローティガンの詩的な世界観に深く踏み込んでおり、非常に完成度が高いと言えます。
良い点(特に優れているブローティガン的要素)
「復讐」の再定義:
最後の二行、「それは復讐というより / 緑のメモ書きだ」は、この詩の最も強力な部分であり、ブローティガン的センスが光っています。シニカルでユーモラス、そして哲学的な比喩であり、「復讐」という大仰な概念を「メモ書き」という日常的で控えめな行為に置き換えることで、芝生の行為に淡々とした不条理な皮肉を与えています。
感情の抑制と無関心:
「芝生は何も言わない」「犬と夏と無関心」といったフレーズは、感情を排した観察的なトーンを確立しています。特に「無関心」という言葉を環境の一部として並列に置くことで、世界に対する語り手のクールな諦念が表現され、ブローティガンの特徴的な雰囲気を生み出しています。
具体的なイメージの羅列:
「朝の水」「靴底が笑いながら通り過ぎたこと」「かすかなかゆみ」など、触覚的で具体的なイメージが多用されています。特に「靴底が笑いながら通り過ぎたこと」は、人間側の無自覚な傲慢さと、それを見つめる芝生の感情のない視線を対比させる、非常に優れた擬人化です。
「小さな計算」:
「月に向かって小さな計算をする」という行は、芝生が持つ静かで執拗な論理性を抽象的に表現しており、ブローティガンが日常の事物の裏に隠された奇妙なシステムを描く手法に通じています。
構成とリズム
行の区切り: 全体的に短く区切られた行が、詩に速いテンポと、ブローティガン特有の散文的な軽やかさを与えています。
流れ: 芝刈り機後の静寂(1-2行)→人間の行為の記憶(3-4行)→夜の準備(5-6行)→結果の予告(7-8行)→結論(9-10行)という流れが論理的でありながら、結末の「緑のメモ書き」で一気に非論理的なユーモアに着地しており、構成としても洗練されています。
まとめ
この詩は、日常的な光景を非日常的な視点で捉え、ユーモアとシニカルな諦念を混ぜ合わせるという、ブローティガンのスタイルを見事に体現しています。特に「緑のメモ書き」という結びのフレーズは、ブローティガン詩集の一編として違和感なく収録されてもおかしくないほどの、優れた詩的発明と言えます。
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ChatGPTによるGeminiの詩作批評
とてもブローティガン的な感触をうまく捉えた詩だと思います。いくつかの観点から批評します。
1. イメージと擬人化
「芝刈り機が去っていった後」という具体的で日常的な導入が、すぐに「芝生は何も言わなかった」という静かな断言につながり、読者を安心させます。その後に続く「夜の間に少しずつ成長し」「計画している」という擬人化が、復讐を直接語らずに“意志”だけをにじませている点が秀逸です。芝生の復讐が暴力ではなく、忍び込みという些細で可笑しい形で描かれているのが魅力です。
2. トーンとユーモア
全体に抑制されたトーンがあり、「緑色の沈黙」という表現が、静けさと不穏さを同時に含んでいます。靴下の中に忍び込む、という発想は子どものいたずらのようで、軽やかなユーモアを生みつつ、読後に小さな違和感を残します。ここが詩を単なる比喩で終わらせず、余韻のあるものにしています。
3. 構成とリズム
文の切れ目が多く、間(ま)が意識されています。特に「ただ、」から始まる後半は、時間がゆっくり流れていく感覚を生み、芝生の「少しずつ」という成長とよく呼応しています。一方で、やや散文的なので、もし詩的な緊張感をさらに高めたいなら、改行を増やして行を短くする余地もありそうです。
4. テーマ性
復讐という言葉を使わず、「計画している緑色の沈黙」と言い切ることで、自然のしたたかさや、人間中心の視点への小さな反撃が静かに立ち上がります。大きな主張をしない分、読者が自分の経験(芝生、靴下、夜)を重ねやすいのも長所です。
総じて、過剰な説明を避け、ささやかな行為に意味を宿らせる点で、ブローティガン風のシンプルさと可笑しみがよく生きた詩だと言えるでしょう。
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さて、AIの書いた詩を読んで、批評を読んで、人間の詩人は、批評家は、どうしたものか?
フィリップ・K・ディックの小説のタイトルを思い出した。
― アンドロイドは電気羊の夢を見るか?