Diary of a Lover

Diary of a Lover

中村隆宏の手記

中村隆宏の手記

ロン・アシュトンのギターは、ライヴで一度だけ聴いたことがある。ロンはイギー&ストゥージズのメンバーとして来日した。2004年3月22日、鋼鉄を叩き割るようなギターの音色が渋谷AXEに響き渡った。

 

 

ストゥージズのアルバム《ファン・ハウス》でロンのギターを初めて聴いた。1970年にリリースされたアルバムとは思えなかった。セックス・ピストルズやダムドよりも後に聴いたから、パンク・ロックの源流に辿り着いたように感じた。

 

 

レコードを聴きながら、ロンがギターを弾く姿を妄想した。激しく身体を打ち震わせながら腕を振りまわす姿を、、。でも、実際にライヴで目にした姿は違った。仁王立ちで微動だにしない。それで、あの轟音!!真似できないと思ったよ。

 

 

ロンが亡くなったときは驚いた。2009年、享年60歳、まだまだ、もっともっと、ギターを弾いてほしかった。

 

 

 

フリーの演奏は恰好いい。子供の頃には分からなかったけどね。レッド・ツェッペリンやグランド・ファンク・レイルロードの方が派手で好きだった。でも、じっくり聴くと、ハードロックは地味な曲に名曲が多い。


フリーはメンバー全員が恰好いいけど、ライヴのビデオを観ると、ベースのアンディ・フレイザーがすごくいい。音色もフレーズもタイム感も、なんとも言えないセンスを感じる。

 

 

もう子供とは言えない年齢になってから聴くと、フリーの曲は沁みる。耳には地味なのに、心には派手に響く。複雑な情熱を感じる。だけど、感情は何処へ向かっているのか?分からない。不思議な演奏だ。


ファースト・アルバム《トンズ・オブ・ソブス》をリリースした頃のフリーのメンバーは、子供のような年齢だった。アンディは17歳?18歳?アルバムを聴くと、精神年齢は+10歳くらいの印象だけどね。

 

 

楽器が弾ければ、演奏技術があればロックンロールは演奏できる、と思っているなら、それは大きな勘違いだと思うけどね。ロックンロールを単純な音楽だと舐めている音楽家には演奏できないよ。ロックンロールが好きじゃないとね。ロックンロールは好きですか?

 

 

新宿区百人町で、弾き語りのライヴやります。ケイイチOK横丁(歌)+中村隆宏(スピーカー内蔵ギター)の演奏で始めます。

 

2024年8月3日(土) 

大久保 LIVE BAR くじら号

 

『夜の彷徨い人の歌 14』

Open 18:00 / Start 18:30 

チャージ ¥2000+1D

 

出演

18:30 ケイイチOK横丁中村隆宏

19:10 中村隆宏

19:50 お香毎日香(ロンとパリス)
20:30 JET Beer SIN
21:10 ケイイチOK横丁

 

LIVE BAR くじら号 

新宿区百人町1-24-8 新宿タウンプラザBF-D1号室 

(JR大久保駅 南口 徒歩1分)

 

 

フェルナンデスのアンプ内蔵ギター、ZO-3を愛用している。子供の頃から知っているメーカーだし、倒産は残念だ。



自分を顧みれば、人間は嘘つきだと得心しない人はいない。もし、得心しない人がいるなら、その人はもはや人間ではないと思う。


でも、もしかしたら、そんな人がいるんじゃないか?いや、むしろ、いてほしいと願う。奇跡を信じるのも、人間だと思う。


映画「スクール・オブ・ロック」では、ロックの有名曲がたくさん流れる。だけど、ちょっと意外な曲もあった。モダン・ラヴァーズの〈ロードランナー〉が流れたときは「やっぱり、アメリカの映画だなあ」と思った。

 

 

モダン・ラヴァーズって、たぶん、日本ではあまり知られてないと思う。この〈ロードランナー〉の演奏はかなり奇妙で、始まりのカウントを6まで数える。ワン、ツー、スリー、フォー、ファイヴ、シックス!

 

 

ストゥージズの曲も流れた。でも、ビートルズとローリング・ストーンズの曲は流れなかった。ボブ・ディランもニール・ヤングも流れなかったと思う。「ロックの学校」なのにね(笑)。総花的な選曲ではないみたい。

 

 

幾時代かがありまして

俺の周りは人間もどき

 

幾時代かがありまして

俺も今では人間もどき

 

幾時代かがありまして

誰もが今は人間もどき

 

数百冊の本を読んだ

数千回のテレビ番組を観た

聴いたことのない音楽を聴いた

時間は心に溶けた

 

バカだねえ

 

夜になれば涼しくなって、、、なんてことも、日本の夏には稀なことになったので、夜の散歩はあきらめて、耳を澄ませる。

 

窓は閉め切った。エアコンは風を吹いている。虫の声が聞こえない。じゃあ、夏の夜だけどピアノを聴く。

 

夜の夜中は、バッハ、ショパン、、、クラシックがいい。ベートーヴェンのピアノソナタは、ホロヴィッツの演奏で聴く。

 

「月光」がいい。「悲愴」もいい。だけど、暑すぎる夜に「情熱」を聴いて熱くなる。

 

第1楽章

 

第2楽章

 

第3楽章