今回お話しするのはイギリスの医療制度についてです。ここでは以前からストライキの話だったり、イギリスの国家財政の話で、ちょこちょここのイギリスの医療制度について話してきていますが、今回改めて医療に焦点を当ててお話ししたいと思います。

イギリスでは医療にかかる費用が無料なんですが、中国では医療費が非常に高くて、中国人はイギリス人が羨ましいと言われることが多いそうです。そんな中である中国人がイギリス滞在中に体調が悪くなって病院にかかろうとしたところ、全然まともに対応してくれなかったり、やっと医者に見てもらえたら今度は医者によって言っていることがコロコロ変わって医療の質が非常に低かったということを動画で話していて、それが中国でちょっと話題になっているという話です。

 

医療のレベルに関しては中国もイギリスもどっちもどっちだという話なんですが、世界の医療を見た時に日本の医療というものが非常にレベルが高いもので、実はこれを維持していくのは財政的にも今後なかなか難しくなっていく可能性があります。ですが、日本国民としてこれは絶対にしっかりと守っていった方がいい。そのためには医療制度を守っていくことの大切さを教育としてしっかりと教えていった方がいいという話をされています。これは私も強く共感するところです。多分、海外で生活した経験がある人の多くがそう感じるのではないでしょうか。

 

イギリスでは医療制度はあるものの財政が厳しくてかなりサービスが悪いですが、それでも医療制度を守っていくことの大切さを子供の頃から学んでいますということで、医療制度を守っていくことの大切さみたいな部分を私の視点でお話ししたいと思います。

 

イギリスの医療というのは非常にサービスが悪いです。体調が悪い時、まずGPという括り付けの待医者みたいなところに予約を取ります。そこで見てもらって重症だということになったら専門の病院が紹介されるという形になります。ですが、まずGPの予約がなかなか取れなかったりします。GPの予約を取って見てもらう頃には治っているというようなこともありますので、普通の風邪とか、そういうよくある症状の場合は病院に行こうとする人はイギリスではかなり少ないです。で、本当に大変な症状がある時もなかなか見てもらえないわけなんですが、最近は国民医療制度NHSのアプリがあり、ましてそのアプリを起動して症状などを入力するとAIのアドバイスに従ってどのように対処すればいいか指示を仰ぐことができるようになっています。体調が悪い時にスマホでAIに指示をアウグしかないというのはちょっと日本人的には不安もありますが、人手が足りていないイギリスの医療制度ではこれが普通です。

 

そして、イギリスの医療制度サービスが悪い悪いと言われますが、実際どの程度悪いのかいくつか数値でお見せしたいと思います。まず医療待機者、医療を受けたくて順番待ちをしている人の数ですが、2023年7月13日のデータでは初めて750万人に達したとされています。人口が67700万人ですので、人口の10%以上の人が医療待機者になっているという状況です。このうち子供が4万6万含まれているとされています。そして750万人のうち18週間以上待っている人が300万人以上いて、さらに18ヶ月以上つまり1年半以上待っている人が5万人以上いるとされています。今与党保守党はまず18ヶ月以上の待機者を1万に減らそうと言ってきていましたが、全然減っていなくてどんどん増えています。そして、この医療待機者の中にはが患者が32万人以上いるとされています。がん患者は2週間以内に専門の治療を受けることが望ましいとされていますが、そのうち3%は104日以上専門員の予約を待っているということです。これが先進国イギリスの医療制度です。日本みたいに調子が悪い病院にかかりたい時にいつでも見てもらえるというこことがいかに特別なことかがお分かりいただけると思います。

 

今こうした医療サービスの状況がこれまでにも増して悪くなっているのはストライキの影響もあります。国民医療制度NHSは1970年代ぐらいからサッチャー政権よりも前から財政なで人手不足の状況です。現場はなかなか大変で、にも関わらず給料は安い。少しでも状況を改善して欲しいと最近はストライキも増えていますが、そもそもこの国には財源がないので、十分な賃上げや人手が確保されることはありません。働いている人たちの全員や使命感によって支えられている部分が大きいと言っても過言ではありません。

 

この働いている人の使命感だったりといったところがどうやって生まれてきているかと言いますと、教育による部分が大きいと思われます。イギリスでは国民医療制度NHSは全ての国民に平等に医療を提供するという意味で平等民主主義の象徴的な存在となっています。そして、NHSのスタッフはリスペクトされる対象となっています。これは何か学校教育などでNHSについて学ぶ特別な授業などがあるというのは聞いたことはありませんが、イギリス人の多くが心の中に持っているものだと思います。イギリスに住んでいる子供たちは色々なところでそうした考え方に触れているんだろうなと思います。学校の授業なんかでBBCのニュースを見たり、道徳の授業なんかもありますが、そうしたところで先生から教わることがあるかもしれません。新型コロナの時は国内の多くの学校で子供たちがNHSを表す虹の絵を書いたりして、NHSのスタッフへの感謝を表現したりしていました。また、「ロックダンガンロンパ」というものが大切なものであるということ、イギリスでは広く認識されています。

 

で、イギリスではこうした医療制度の重要性が認識されていてもどんどん質が低下しているので認識されればいいということではないんですが、日本の場合は多くの人が気づいていないかもしれない気づいた時にはもうどうにもならない状況になっていたそういうことにならないように、医療制度はしっかりと守っていくべきものであるということが日本でもっと認識されるようになっていったらいいでしょう。この医療制度の維持は財政と密接に関わる話なので、制度設計を適切に行うことが非常に重要になります。国家財政を無限に拡大することができない中では、持続可能な財政運営の中で財源を配分していく必要があるでしょう。

 

私は医療分野は専門ではありませんが、日本の一般の人たちがこうした医療の問題について理解を深めていけるような情報発信を私も応援していければと思っています。今先進国はどこも少子高齢化の問題を抱えていますので、この医療の問題はどこの国も大なり小なり抱えています。大手メディアでもあまり取り扱わないテーマですが、機会があれば私も今後も情報のアップデートをしていければと思っています。