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本当にこんな島を攻撃して敵機動部隊が現れるのだろうか。
 剣はじっとミッドウェー諸島を見詰める。その時、前方を飛ぶ隊長機が増槽を捨てて機首を上げて上昇して行った。その行動に目を向けると自分達の上空に無数の敵戦闘機が編隊を組んでいた。
「迎撃機!? そんな、奇襲攻撃のはずじゃ???ッ!」
 今回のミッドウェー作戦は奇襲攻撃から始まるはずだ。だが、迎撃機が舞い上がっているという事は、強襲攻撃となる。
 奇襲と強襲。どれだけ危険な戦いになるか、想像するだけでぞっとする。
 上空に待機していた敵戦闘機隊は次々に機体を返して流星のようにダイブして来る。空中戦の基本である上空を取られた。状況は極めてまずい。
「くそッ!」
 剣は急いで燃料増槽を落として操縦桿を思いっ切り引いた。
 剣の零戦は一瞬で機首を上に向けると、敵戦闘機の大群の中に突っ込んでいった。

 攻撃隊はミッドウェー島を奇襲――ではなく強襲した。
 米軍の防空能力は予定よりも数倍以上高く、攻撃隊は敵対空砲火、敵戦闘機のすさまじい猛反撃に遭い、予定より敵陸上施設を破壊できず、爆撃の効果不十分と見た第一次攻撃隊隊長の友永(ともなり)丈市(じょういち)大尉は、『第二次攻撃隊ノ要在リト認ム』と打電した。

 第一攻撃隊隊長の打電を受け、機動部隊司令部は、旗艦『赤城』で話し合いをしていた。
「何だと? 第二次攻撃隊をミッドウェーへ向けるだと?」
 航空参謀が驚いたように作戦参謀に聞く。http://www.ed6x.com
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「そうだ」
 作戦参謀ははっきり答えた。
「それは予定と異なるぞ。我々の目的はミッドウェー島の攻略ではあるが、第一に同島を攻撃する事で現れるであろう敵機動部隊を撃滅する事にある。その攻撃用に備えている第二次攻撃隊を対地攻撃に使うなど、本末転倒だ。事実、山本長官から第二次攻撃隊は対艦装備で待機させておくよう厳命されているはずだ」
 航空参謀の言葉に、戦術参謀が腕を組みながら言う。
「しかし、索敵機が出撃してもう数時間経つ。とっくに索敵範囲の前端に行き着いているのに、何の報告もない。これを鑑みるに、この海域に敵の機動部隊は存在しないと判断するのは自然だろう?」
「そう判断するのは早計だな。索敵機が発進したのは夜明け前で、索敵範囲の前端でようやく視界が開ける。敵艦隊の上空を通過してしまった可能性を考えると、復路の索敵要素も重要だ」
 航空参謀の意見に、草鹿は黙ったままだった。
「しかし、敵信班もハワイ島周辺に展開している潜水艦部隊からも、敵艦隊が動き出しているような報告は入っていなぞ」
 通信参謀がはっきりとした口調で言う。その言葉に、作戦参謀は呆れたように言う。
「とにかく、明日には陸戦隊と陸軍がミッドウェー島に上陸を開始する。しかし、事前空爆をしっかりしていないとそもそも上陸すらままらないじゃないか。その為にも、第二次攻撃が必要なのだ」
「問題は、敵の機動部隊がどこにいるかだな」
 草鹿の言葉に、一瞬沈黙したしたが、参謀副長が口を開く。
「通信参謀。敵機動部隊発見の報、及びその動きに関わるような内容の情報は入っていないのだな?」
「はい」
 通信参謀の言葉に、南雲は決意した。
「よし、ミッドウェーを叩こう」
「しかし、山本長官は第二次攻撃隊を敵機動部隊攻撃に用いる為、九七艦攻の装備は魚雷のまま変更するなと言っておりましたが」
「構わん。ただちに第二次攻撃隊の雷装を爆装に切り替えろ」
「了解」
 草鹿は参謀達に向き直り、命令した。
「第二次攻撃隊はミッドウェー島を攻撃するッ! 攻撃機の装備は魚雷から陸用爆弾に切り替えろ!」
『了解!』
 参謀達が動き回り、伝声管に次々命令を出した。
『第二次攻撃隊の