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长健航饎偂护藖\んなよ」
「嫌だよ。あそこは海軍一訓練が厳しいんだから。《鬼の金剛》は伊達じゃねぇんだぞ」
「でもさ、そしたら金剛さんといつも一緒だよ」
「冗談! 何であんな凶暴な女と四六時中顔を合わせてなきゃいけねぇんだよ! どんな処刑だ!」
 滝川は「絶対に嫌だね!」と叫ぶと、コーヒーのおかわりを頼んだ。そんな彼に小さく微笑むと、翔輝もカフェオレを飲む。
「にしても、こんな所にも戦争の影響が出てるなんてな」
「え?」
「ほら、さっきから流れてる曲だよ」
 滝川の言葉に、翔輝は不思議そうに耳を澄ます。聞こえてくるのはクラシック音楽だ。しかしそれを聞いても素人の翔輝にはわからない。
「何かおかしいの?」
 翔輝の問いに、滝川はため息する。
「まあ、お前に音楽をわかれって言っても無意味だよな。素人だし」
「むぅ、だから何なんだよ」
 少し怒ったように言うと、滝川は悲しげに口を開く。
「全部ドイツやイタリアの曲なんだよ。敵性国家の曲を流したら特高(特別高等警察)に捕まるからな。どこもみんなアメリカやイギリスの曲をやめて、同盟国のドイツやイタリアの曲ばかり。ったく、音楽に戦争もクソもねぇってのによ」
「まったく、その通りですよ」
 滝川のグチにうなずいたのは初老の男。この店のマスターだった。
「この方の言うとおり、音楽に戦争なんて関係ないんですけどね。悲しい事です」
 マスターはそう言うと滝川にコーヒーを渡す。
「しかし今は国民が一丸となって戦争をしている時代。わがままは言ってられませんよね」
「だからって、いくら敵の国の音楽だからって禁止にしなくたってよぉ???」http://www.930bc.com
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 滝川の言葉に、マスターは何度もうなずく。
「あなたの気持ちはわかります。しかし今は英語全般が禁止の世の中ですからね。近所の子供達の野球だって、ストライクが《良し》、ボールが《ダメ》、アウトが《それまで》と言い換えられてますからね。徹底してますよ」
「そ、そうなの?」
 驚く翔輝に、滝川もうなずく。
「あぁ。お前は軍艦勤務が長いから知らないだろうが、今じゃ小学校の運動会にも軍歌が使われてるらしいぜ」
「そ、そんなぁ???」
 翔輝が少し見ないうちに、日本という国はずいぶん変わってしまったらしい。
「まぁ、そんなに落ち込むな。アメリカと戦争するって決まった時にはわかってた事だろ。今さら驚く事じゃないだろ」
「そ、そりゃそうだけど???」
「そもそもアメリカと戦争しようなんて言う方がおかしいんだよ」
「ちょッ! バカぁッ!」
 翔輝は顔を真っ青にして慌てて滝川の口を塞ぐ。もごもごと何か言っている滝川を無理やり伏せ、翔輝は呆然としているマスターに「カフェオレおかわり!」と叫ぶ。
「い、いきなり何すんだよ!」
 マスターが奥に消えた所で滝川が翔輝の手を振り払ってキレた。だが、翔輝もこの時かなり怒っていた。
「バカかお前は! こんな公共の場所で何口走ってんだよッ!」
 翔輝が怒るのは無理もない。当時日本では治安維持法という法律によって特別高等警察という組織が国民を監視していた。戦争批判や軍部批判などの国にとっての危険因子を捕まえ、拷問をするという恐ろしい時代。そんな場所で思いっきり戦争批判をした滝川は度胸があるとかではなく単なるバカだ。
「今度またふざけた事を言ったら、今度こそぶっ飛ばすからな!」
「わかったわかった!」
 翔輝のあまりの剣幕に押され、滝川も渋々了承した。誰でも命は惜しいものだ。
「そういえば、あなたは軍人ですか?」
 カフェオレをテーブルに置いたマスターは翔輝に問う。
「は、はい。どうですけど」
 翔輝は何をバカな事を言いたげな目をする。今の翔輝はいつもと同じ黒