そんな榛名の気分を害す空気を読まない武蔵の言葉に、榛名のこめかみで何かが断裂した。
「例えだよ! 本気でんな骨董品に乗るか!」
「???うるさい。耳元で大声出さないで」
「んだとゴラッ! 俺の方が断然年上だぞ!」
「???精神年齢の問題」
「せいしんねんれい?」
「???ガキっぽいって事」
「このクソチビ! さっきから黙ってればいけしゃあしゃあと!」
「???十分うるさい。静かにしてよ。おばさん」
「お、おばさんだと???ッ!」
戦艦『榛名』の艦齢は二七歳。艦魂の見た目は十代後半ぐらいだ。年http://www.dx345.com
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流行 ブランド バッグ店舗販売齢的にも外見的にもおばさんにはまだ早い。
「このヤローッ! 俺はまだおばはんじゃねぇッ!」
「そうだよ武蔵! 榛名はどう見たって僕より少し年上にしか見えないだろ? 艦齢だってまだ二〇代だし。それに、連合艦隊最古参の戦艦の艦魂がこんなに若々しいんだぞ! 榛名をおばさんにしたら金剛さんはミイラだよミイラ!」
「貴様。ほめるかけなすか、どっちかにしろ」
「あ、いや、すみません」
謝る翔輝を無視して金剛は紅茶を優雅に飲む。それを見て、他の者も紅茶を飲み始めた。そんな時、再び唐突に滝川が口を開いた。
「そいえば長谷川って何ができるの?」
「な、何だよ唐突に」
「いやさ、お前っていろんな事ができるだろ? 一体何ができるんだと思ってさ」
「そんな急に言われても???」
「何でもいいからさ」
「うーん???」
翔輝は腕を組んで悩み始めた。
「そうだね???上流階級の作法とか?」
「何ですかそれ?」
「うん? 瑠璃がいつか一緒に外で食事する時に恥ずかしくないようにって、フォークを使う順番とかを無理やり教えられたんだ」
「また瑠璃さんですか???」
大和は絶対零度の視線を向けるが、翔輝は鈍感なので、まったく気づいていない。その時、
「???翔輝は絵も得意」
武蔵が紅茶を飲みながらそう小さく言った。
「そうなのか?」
滝川も初耳だったのか、興味ありげに問う。
「あ、いや、得意というかなんというか」
「???得意と判断する。あれほどの完成度なんだから」
「え? 武蔵は見た事があるの?」
「???って言うか、もらった」
「も、もらった???ッ!?」
大和は驚愕した。「そんな話聞いた事ないですよ?」という顔で翔輝を見詰める。微妙に睨んでいるが。
「あ、まぁ、武蔵がほしいって言うから」
「私にはくれないで、武蔵にだけってひどくないですか?」
「ごめん。別にあげられるような物じゃなかったから」
「???最低です」
「そ、そんな???」
大和の放つ絶対零度の視線にようやく気づき、苦笑いで取り繕(つくろ)うが、そんなのもはや無駄な抵抗だった。
「他には何ができるんだ?」
「うーんと、兵棋演習(へいきえんしゅう)が得意かな」
「兵棋演習とは、海軍学校でやるエリート司令官候補生用の図上演習の事だろう? それをなぜ航海士のお前ができるのだ?」
金剛が当然とも言える質問をすると、翔輝は小さく笑みを浮かべて頭を掻く。
「いやー、友達が司令官候補生でよく部屋でお遊びやってたから。そいつに教えてもらってたらいつの間にか勝ち進んで《不沈司令官》とっていう変なあだ名を付けられちゃったんです。上官も「お前、司令官候補生になったらどうだ?」って言われたんですけど、「僕はそんな大役できません。のんびり海を見詰めてられる航海士になりたいんです」と断りましたけど」
翔輝の言葉に、金剛は「ほう???」と少し興味がわいたような顔をした。
「なるほど、いつか手合わせしてみたいな」
「喜んで」
笑顔で了解する翔輝を、榛名がとてもかわいそうな生き物を見るような目で見た。
「まぁがんばれや。生きていればきっといい事