#甲骨文字 #依存 #白文 #篆刻 #地球 #エネルギー #氣 #生き方 #手放し #山菜 | 音型(おんけい)が彫る

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甲骨文字百顆印 第三十三顆 / 白文・7mm角・新疆彩凍石


01 「採」という文字について

     
意 味 とる
成り立ち 形聲文字。『手』と音符『采』の組み合わせ。元々「手で木の實や芽を摘み取る」樣子を表す「采」に、動作を强調する「手」が加わったもの。會意兼形聲文字とも言われる。
部 首 扌(てへん)
現代漢字の畫數 11畫
甲骨文字の畫數 14畫ほど

二種類の成り立ちの解釋があったが、どちらも「手で木の實を摘み取る」という核心は同じだ。五本指を広げた手が、木の枝から實を一つひとつ丁寧に取る。その情景がそのまま文字になっている。シンプルで、本來あるべき「採る」の姿だと思う。


02 採のつく言葉を眺めてみる

採用、採點、採算、採取、採集。「採」のつく言葉はいくつもある。

採用されるのは嬉しいが、採點されるのはあまり好きではない。誰かの基準で數字に換算されるというのが、どうもしっくりこない。採算が合う合わないという話も、三次元の世界では割に合わないことの方が多い氣がしている。帳簿の上でプラスになることと、自分の中で豊かな氣持ちになることは、必ずしも一致しない。

採ること自體は、必要に應じて適量であれば問題ない。山菜を摘む、果實を収穫する、魚を釣る。必要なものを必要なだけ。それが本來の「採る」だ。


03 手で摘み取るのが本來の姿

甲骨文字の「採」を見ると、手と木と實という要素が組み合わさっている。

一本の木から、手を伸ばして實を取る。その動作は、必然的に量が限られる。一人の人間の手が届く範囲、一囘に持てる量、体力の限界。そういった制約が、採りすぎることへの自然なブレーキになっていた。

今のように機械を使って大量に摘み取るというのは、そのブレーキを取り外した状態だ。効率は上がるが、何かが根本的に変わっている。木の實に手が届くかどうか、という身體的な感覚は、採る量をどこかで調整していたのかもしれない。


04 人間が採取に絡むと、地球によくないことが起きすぎる

人間が採取に本格的に絡み始めると、地球にとって良くないことが続く。

石油、鑛物、森林、魚、土壌。どれも必要以上に採り続けた結果、何らかの問題が生じている。慾が深いのだと思う。必要な分だけ採る、という感覚が薄れて、採れるだけ採る、という方向に傾いていく。

「農」の回で、人がどうこうするのはおこがましい、という話を書いた。採るという行爲もそれと同じで、自然が用意してくれた範囲を超えると、どこかで歪みが生じる。地球は貸してくれているだけで、所有権は人間にはない。「盟」の回で書いた、借りているものという感覚と通じる話だ。


05 消費モンスターと依存の話

採りすぎる構造の背後には、消費し続けさせたい仕組みがある。

大量に生産して、大量に消費させる。そのサイクルを維持するために、もっと便利に、もっと安く、もっとたくさん、という方向へ引っ張り続ける。その流れに乗っている人は、物やサービスの供給が止まった瞬間に、一気に身動きが取れなくなる。

依存というのは、氣づかないうちに深まっていく。食べ物、エネルギー、情報。どれも生活に必要なものだが、どこか一つに依存しすぎると、その供給が変化した時に対応できなくなる。依存は極力少ない方がいい、というのが今の自分の方針だ。手で摘み取れる範囲で生きる、という甲骨文字の「採」の世界観に、どこか共感する。


06 捨てられると楽になる

採ることの反対は、手放すことだ。

必要以上に手に入れようとすると、管理するものが増えて、失うことへの不安が増える。捨てられると楽になる、というのはそういう意味だ。手放した分だけ、身輕になる。

「宿」の回で肉體は入れ物という話を書いたが、入れ物の容量には限りがある。何でも入れようとすると、本当に必要なものが入らなくなる。採る量を減らして、手放す量を增やす。そのバランスが、今の自分には合っている氣がしている。


07 制作について

今囘も白文。字體は甲骨文字風で仕上げた。擊邊は入れた。

制作メモ

  • 印 式:白文
  • 字 體:甲骨文字風
  • 印 材:新疆彩凍石(7mm角)
  • 印 刀:刀匠印刀 三號
  • 擊 邊:あり
  •  

     

14畫ほどの甲骨文字を7mm角に収めた。手と木と實という三要素のうち、手の形をどう表現するかが今囘の工夫どころだった。五本指が伝わる程度に残しながら、全體のバランスを取った。


08 甲骨文字百顆印 これから

三十三顆目で「採」が加わった。

手で摘み取るという原初の動作から、消費と依存の現代まで話が広がった。甲骨文字というのは、現代社會への問いを内側に持っている字が多い。一字を掘り下げるたびに、今の自分たちの生き方を見直す氣持ちになる。それもこのシリーズを続けている理由の一つだ。

 

 

生成AIさんに作っていただいた画像はこちら、

あぁ、そんな感じですよね。

 


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