対義語二字熟語百顆印シリーズ、
第15作目は「白黒」です。
最も対照的な二色
白い色と黒い色。
白いものと黒いもの。
黒白(こくびゃく)。
最も対照的な二色。
善悪、
正誤、
明暗を象徴する色でもあります。
「白黒つける」
「白黒はっきりさせる」
という言葉があるように、
曖昧さを排除し、
明確に区別することを意味する言葉としても使われます。
すべてはグレー
でも、
色々とグレーだと思う。
真っ白も真っ黒もないように思う。
白か黒か、
善か悪か、
正しいか間違っているか。
そんな二元論で世界を切り分けることはできない。
すべてはグレー。
無数の中間色が存在している。
善意で行ったことが誰かを傷つけることもある。
悪意がなくても結果的に害を与えることもある。
正しいと信じていたことが、
後から間違いだったとわかることもある。
白と黒の間には、
無限のグレーがある。
色という定義の儚さ
人が識別のために定義しているだけで、
本来は決まった色なんてないんじゃないかなとさえ思う。
色とは何か。
それは光の波長を、
人間の目が捉えたもの。
そして、
それを言葉で区切ったもの。
でも、
光は連続的に変化している。
どこからが赤で、
どこからがオレンジなのか。
その境界線は、
曖昧です。
時間が経てば刻々と色は変わるし、
形でさえ維持ができないと思う。
朝の光と夕方の光では、
同じものでも色が違って見える。
白い壁も、
時が経てば黄ばんでいく。
黒い服も、
日に晒されれば褪せていく。
そんな不確かなものに色という名前をつけても儚い気がする。
固定されたものなど、
何もない。
すべては流れ、
変化し、
移ろっていく。
でも、日本の色名は好き
でも、
何だろうか、
日本の色の名前の付け方はちょっと好きだったりする。
鶯色、
鶸色、
鳶色とか鳥の名前がついてたり、
柘榴色、
柿色、
人参色などの植物があったり、
その羅列を見るだけで楽しくなります。
西洋の色名が、
化学的・物理的な分類に基づいているのに対し、
日本の色名は、
自然の中から見つけ出されています。
鶯色は、
鶯の羽の色。
鶸色は、
鶸という鳥の色。
柿色は、
熟した柿の色。
色を自然の中から見つけ出し、
美しい名前をつける感性。
それは、
日本文化の豊かさだと思います。
自然と共に生き、
自然を観察し、
自然から学ぶ。
その姿勢が、
色名にも表れている。
抽象的な「グレー」ではなく、
「鼠色」
「灰色」
「銀鼠」
「藍鼠」。
灰色にさえ、
無数の名前がある。
それは、
微妙な違いを感じ取る繊細さの表れでもあります。
あぁ、白と黒の話だった
あぁ、
白と黒の話だった。
話が脱線してしまいました。
でも、
これも「白黒」についての考察です。
白と黒の間にある無限のグレー、
そして日本人が見出してきた無数の色の名前。
白といえば純白の〇〇ですよね。
死ぬまでに一度はみてみたいものです。
何のことかは、
わかる人にはわかるでしょう。
自然の中にある、
圧倒的な白。
それを目にすることは、
人生の目標の一つです。
黒は黒閃ですよね。
死ぬまでに一度は発動させてみたいものです。
これも、
わかる人にはわかるでしょう。
架空の技ですが、
一度は体験してみたい。
黒い閃光。
究極の集中の先にある、
何か。
甲骨文字風に挑戦
今回も朱白文で彫りました。
そして今回は、
字体を変えてみました!
字体は甲骨文字風です。
「白」は朱文、
「黑」は白文です。
撃辺は結構入れました。
このシリーズでは、
基本的に小篆風で彫ってきました。
でも今回は、
もっと古い文字、
甲骨文字に挑戦してみました。
黑という字の発見
今回、
面白い発見がありました。
黑という字が、
黒でも黑でもなく、
「黑」の上の部分と下は炎なんですよね。
古代の文字である甲骨文字。
その中での「黑」の字形が、
とても興味深かった。
黒という色は、
煤(すす)や炭から来ている。
だから「炎」が入っている。
火によって生まれる黒。
漢字の成り立ちを知ると、
文字がより深く理解できます。
白は光、
明るさ。
黒は炎から生まれる煤、
暗さ。
その対比が、
文字の形にも表れている。
言葉だけでなく、
形そのものが意味を持っている。
それが、
漢字の面白さです。
レアな甲骨文字
甲骨文字は、
このシリーズではなかなか使う機会がありません。
小篆風が基本なので、
甲骨はレアです。
でも、
なかなか合う文字が無いので、
今回はより原始的な文字が重なったという事で、
この字体を使うことができました。
ラッキーです。
対義語二字熟語で、
両方の文字に適切な甲骨文字が見つかることは稀です。
小篆ならほぼすべての文字が確立されていますが、
甲骨文字は現存する字形が限られている。
今回、
「白」と「黑」の両方に甲骨文字が見つかった。
これは幸運でした。
新鮮で面白い
いやぁ〜楽しいですねぇ〜(´艸`)
なかなか彫らない字体は、
新鮮で面白いです。
小篆とは全く違う線の感覚。
より古く、
より原始的で、
より自由な文字。
甲骨文字は、
亀の甲羅や獣の骨に刻まれた文字です。
紀元前1300年頃、
中国の殷の時代。
占いの結果を記録するために刻まれました。
それから3000年以上の時を経て、
今、
私の手で再び刻まれる。
刀を動かしながら、
3000年以上前の人々が書いた文字に触れている感覚。
それは、
不思議な体験でした。
同じ文字を、
同じように刻む。
時代も場所も違うけれど、
同じ行為。
時間を超えた繋がりを感じます。
白黒の世界から多彩な世界へ
白黒。
二元論。
明確な区別。
でも実際には、
世界はもっと複雑で、
もっと豊かで、
もっと曖昧です。
白と黒の間には無限のグレーがあり、
そのグレーにさえ無数の名前がある。
固定されたものは何もなく、
すべては変化し続ける。
そんな世界を、
小さな印面に刻む。
古代の文字を使って、
現代の想いを表現する。
15作品目。
残り85個。
白黒はっきりさせることなく、
グレーを楽しみながら、
これからも続けていきます。
制作情報
- 作品名: 白黒
- サイズ: 10mm角
- 書体: 甲骨文字風
- 技法: 朱白文(白=朱文、黑=白文)
- 撃辺: 結構入れた
- 発見: 黑の字に炎が入っている
- シリーズ: 対義語二字熟語百顆印 #15
- 印影
YouTube動画
制作過程や完成作品の詳細は、YouTubeでもご覧いただけます。
これまでの作品もぜひご覧ください。
第14作「硬軟」: [リンク]
第13作「問答」:
第12作「送迎」:
第11作「師弟」:
第10作「出欠」:
第9作「春秋」:
第8作「往来」:
第7作「内外」:
第6作「玉石」:
第5作「授受」:
第4作「老若」:
第3作「濃淡」:
第2作「乾湿」:
第1作「可否」:
生成AIさんに作っていただいた画像はこちら
白黒ですね(^^♪
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