川崎が2週間後に迫ったある日の夜。
スポーツニュースを見ていたら、ロッテの黒木がインタビューを受けていた。
細かいところは忘れたがこんな話だった。

ピッチャーは少しでもバッターに近いところからボールを投げたいんです。
5cmボールを手からリリースする位置がバッターに近づけば全然違うんです。

インタビューは大真面目だ。
野球素人の俺からすれば、5cmなんて気づかない距離に思える。
でも、黒木はこの5cmに本気でこだわっていた。

あぁ、こういう人が本当に活躍できる人なんだろうなって思った。

翌日の練習で、みんなにこの話をした。
みんなに小さなこだわりを大切にしてほしかった。
そのこだわりが、お客さんに感動を与えられるんだと信じて練習してほしかった。

後2週間、みんなにこの気持ちがあれば、チームとして一皮剥けられる。

準備期間はいよいよ少なくなってきた。
ここからのレベルアップは気持ち一つだ。
このメッセージがたくさんの人に届くといいな、と思った。
俺は常々、すごい人と平凡な人の差は実は本当にわずかな違いだと思っている。
10分準備したやつのスピーチはうまいし、毎日10分英単語覚えたやつの英語はうまい。

それは銀輪でも同じ。
みんなにわずかな努力を惜しんでほしくなかった。
チームとして輝くために。

そんな想いで銀輪村に綴った書き込み。

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■スターになろう
最近聞いた話。プロ野球選手で打率2割5分の人と3割の人にどんな違いがあるかわかりますか。細かい話は抜きにすると、前者は来年契約してもらえるかわからん人、後者は年棒1億いくかも的なスターです。でも、この2人の違いって20打席入ってヒット5本か6本かのわずかな違いなのです。

世の中ほんとにわずかな差で、結果が大きく違ってくるものです。ということは、そう、小さなことを大事にすれば、みんなスターになれるチャンスがあるってことです。

川崎まで後1ヶ月。練習回数は6回。銀輪舞隊がスターになるために、みんなちょっとずつでいいから、今より良くする努力をしてみようよ。練習中の声出しでも、通勤中にYoutube動画を観るでも、寝る前に10分鳴子を練習するでも、何でもおっけー。その気持ちと行動が、きっとチームを更なる高みに導いてくれるはず!絶対損はしないから!やろうぜー!
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今読み返しても割といい 笑
銀輪の踊り子にはいろんな個性のやつがいる。
踊りのうまいへたも様々だ。

しかし、そんな中に一際ぶっとんでるやつがいる

それがたつだ。

栃木や北海道など様々な遠方から東京の銀輪の練習に参加しているが、この男は台湾から参加した。
2012年までは東京にいたが、2013年仕事の都合で台湾へ。
でも銀輪ラストイヤーということで、台湾から参加したのだ。

たつのすごさは「かっこよさの追求」にある。
たつは自分の中にかっこよさのイメージを持っているようで、それに向かってひたすら進む。
自称他称のナルシストだ。

台湾から来るので練習は月1~2回の参加だ。
だから踊り込みが足りない。
でもなんかかっこいいのだ。

正直、振り落としと違う振りをしていたりするのだが、それはそれでかっこよかったりする。
間違ってると注意するのに躊躇したこともある。

銀輪は披露の際に、世界観を出すために髪型を整え、踊っても乱れないように髪をかためる。
たつはこのヘアにもものすごくこだわっていた。
「俺がヘア作ってやるよ」と言ってくれてお願いした時に外れはない。
完璧に仕上げてくれる。

銀輪はかっこよくあるべき、と誰より思っている。
だから銀輪の踊り子にかっこよくない瞬間があるとすぐに注意する。
それぐらい徹底していた。
そして、その行動はチームにとってもいい影響を与えていたと思う。

たつを見ていると「自分のポリシーって大事だな」とつくづく思った。

そして「負けてられないな」と心の中で何度も思った。