メガバンクは過去の遺物となりつつある「終身雇用」「年功序列」を守っている数少ない生き残りだ。

今人気の商社も同様だが、学生の人気には大きな差がついた。

 

 

メガバンクがかつて人気だった理由がやはり「安定」や「世間体」だった事が明らかになったのは、人気が一気に凋落したのが銀行が「リストラプラン」を発表したタイミングだったことで明らか。

 

 

頭取たちは「安定を求めるような学生は要らない」的な威勢のいい事を言うが、誰がこの硬直的な組織に入って規制でガチガチな仕事を不安定な状態でやりたいと言うのか。メガバンクの頭取になるような人は入行当初から家柄や学歴などでエリートコースを守られながら歩むためそこに想像力は湧くはずもない。

 

 

そんな銀行でも新陳代謝のためのいいシステムがある。大体50歳を過ぎると超一部の役員クラスを除いて銀行の外に出されるのである。40歳定年を標榜するリクルートには及ばないが、悪くはないのではないか。

 

 

47歳になると通称「黄昏研修」という、人事から各人への今後の銀行員生活のコースが案内される。出世に血眼を上げる銀行員たちに、キャリアがどこまでで打ち止めになるか通告するのである。

 

 

51歳になると一人また一人外に出されていく。関連会社への斡旋を人事部がせっせとやる訳だ。最大のお荷物世代のバブル世代の最後尾の処理までもう数年か。人事部が一番忙しいのはこれからかもしれない。

 

 

このようなシステムの無い会社はバブル世代をターゲットに大規模早期退職制度を運用せざるを得なくなっている。口だけで手が動かない典型のバブル世代をもう養い続けられない。一人5,000万円払っても出て行って欲しい人材が大量にいるのだ。

 

 

しかし再就職の後も楽ではない。今はお金がジャブジャブで借りるのに苦労しない時代。元銀行員にツテを頼ったりする必要など全く無い。財務部長として辣腕を奮って・・・などという機会は全く無い。

 

 

特別な経験やスキルでも無い限り、関連会社で元上司などに囲まれて、給料を減らした上で銀行員の続き的な事をやるのが定期コースだ。

 

 

同じ会社にフルベットして30年弱出世競争した挙句、人生の選択肢を完全に会社頼りにしてしまって不安はよぎらないのだろうか?英才達が単に上司の顔色伺って頑張る人に堕ちていく様はもはや様式美ともいえよう。