現在のシンガポールの教育システムは、過去の詰め込み教育を反省し、「もっと子どもに勉強を好きになってもらうための仕組み」が導入されている。

 

かつてはP1(小学校1年生から)点数を競わせクラスを分ける、日本の進学塾のような仕組みが全国で取り入れられていた。

早ければ小3から優勝劣敗がはっきりしてきて小6で点数で厳正に振り分ける、落ちこぼれは進学させない、という過酷なシステムで有名だったシンガポール。その弊害が目に付くようになったという。

 

その一例が教育省のWebページにあって笑ってしまったが、312点を取った生徒が311点だった生徒を見下す、そんなことが起きがちで、そんなことに意味はないので是正する、ということだ。是正の方法は全部を把握している訳ではないが、一つは点数ではなくバンド(X点〜Y点とレンジをつけること)にすること。表面的な気もするが。。。

 

そして、「もっと子どもに勉強を好きになってもらうための仕組み」。P1、P2では、進捗チェックのテストは行うものの、一才点数をつけない。また比較しない。その代わりと言っては何だが、Programme for Active Learning (通称PAL)というクラスがある。それが有効なのかは誰も知らない。が、そのような努力が行われている訳だ。

 

 

ただ、これをまともに受け取っている親は特に中華系では少ないと思われる。どうせP3から競争させられるのだから、学校でやらないなら家庭で、または塾で詰め込もうという訳だ。コロナ前で親と教師の入学セッションがあって参加したが、何度も何度も何人からも「本当に比較しないのか」「点数無しでどう評価するのか」などと質問が出ていた。

 

シンガポールの教育改革も道半ばかもしれない。