歴史に残るだろう2008年も終わりが見えてきました。
いろんなウェブページ、いろんな雑誌が今年について特集をしていますが、D氏も昨今の経済状況を踏まえまして、今年を総括して、今後の予想を加えたいと思います。
①投資銀行
果たして、2008年の頭に、いったい誰が、ベアが無くなり、リーマンが潰れ、メリルが吸収合併され、モルスタとゴールドマンが銀行になってしまうなんて予想できたでしょうか。30倍のレバレッジをかけた投資が逆流して、見事に業界そのものが消滅してしまいました。
今後は、銀行としてFRBの規制を受けながら預金を集めて運用する業態になります。レバレッジをかけて上昇相場にカネをぶち込んで巨額の利益をあげて、巨額のボーナス、という話もしばらくは聞くことはないでしょう。ゴールドマンのボーナスが平均7千万、新卒1千万なんて話もありましたね。
しかし、強欲な人たちの集まるこの業界、このまま、預金を集めてコーポレートローンを出して、という業務では大金は稼げませんから、次のネタを一生懸命探すでしょう。僕は個人的に、次のターゲットは「排出権取引」ではないかと思っています。
地球環境を守るという大義名分、取引量の算定の不透明さ、市場の新奇性、どれも有力候補としての条件を満たしています。貧者にも家を、という大義名分、将来キャッシュフローの不明確さ、などはサブプライムの特徴の一つでしたね。
②不動産金融
サブプライムという言葉が世間を賑わせた2007年、最も影響を受けるのは住宅ローン金融だと思われていましたが、日本においては、実は一番ひどいことになったのは不動産金融業界でした。「信用収縮」で借金返済を迫られて一番困るのは不動産屋さんだったのです。
2007年に最高益をたたき出していたアーバンコーポレーション、ゼファーなど新興不動産ファンドが次々破綻し、マンションの売れ行きも完全にストップ、世界でも日本でも不動産の証券化商品、CMBSも市場が実質的に消滅しました。
今後の展開は、一重に金融機関の貸出し姿勢にかかっていると言っていいかもしれません。それが明確なので、金融庁も2007年までとは正反対の行政指導に入っているのです。官民あげて支えないと、パシフィックのような例外を除き崩落する危険性すらあるのです。
③為替
欧米の金融危機が深刻化するにつれ、すべての通過に対して円高となった一年でした。2008年の年初は、1ドル110円、1ユーロ160円、1ポンド215円、1豪ドル95円程度でしたが、現在はそれぞれ、90円、127円、133円、62円です。2割~4割の変化です。
欧米がもはや「なんでもあり」の政策総動員体制になり、金利も驚くほど急激に低下させました。日本の金利政策を散々コケにしていた米国がゼロ金利になるなんて、1年前に予想できなかったことでしょう。どの国ももう下げる金利はありません。
今後は、世界中が超低金利のため、どの通貨でどこに預金しても大して金利のつかない世界になります。そんな世界で誰も為替リスクは取りませんから、外に出て行っていたお金は、各国に還流します。日本人が外貨預金を止めるイメージです。
そうすると、日本のように個人が預金を持っている国は良いですが、米国のように家計が赤字な借金体質の国からはじわじわと流出していく、つまりその国の通貨が弱くなっていく方向性が見えます。政治がこの流れをどうコントロールするかが焦点でしょう。
④日本経済
年初にここまで経済が悪化するとは予想されていませんでしたが、日本経済もやはり米国の過剰消費におんぶにだっこだったことがクリアになりました。トヨタが2兆円を超す黒字から1,500億円の赤字に。「日本の誇り」の商売は、米国のレバレッジ消費に乗っかった商売だったのです。
学生の内定取り消し、派遣労働者の契約打ち切り、そして外資系を中心としたリストラに加えて、ソニーやパナソニックを中心とした製造業による大量解雇が始まり、失業率はかつての記録5.5%を超える水準まで上がり、大失業時代がやってきます。
個人的には、2009年にさらに危機に陥ると思われるアメリカに、日本の国富をむしり取られないように、政治にしっかりしてほしいと思います。米国債を買うのはストップした方がよいし、妙な基金にカネを出す余力も日本にはすでにないはずです。
いずれにせよ、大変だった2008年は終わりますが、2009年も試練の年になりそうです。がんばりましょう!
いろんなウェブページ、いろんな雑誌が今年について特集をしていますが、D氏も昨今の経済状況を踏まえまして、今年を総括して、今後の予想を加えたいと思います。
①投資銀行
果たして、2008年の頭に、いったい誰が、ベアが無くなり、リーマンが潰れ、メリルが吸収合併され、モルスタとゴールドマンが銀行になってしまうなんて予想できたでしょうか。30倍のレバレッジをかけた投資が逆流して、見事に業界そのものが消滅してしまいました。
今後は、銀行としてFRBの規制を受けながら預金を集めて運用する業態になります。レバレッジをかけて上昇相場にカネをぶち込んで巨額の利益をあげて、巨額のボーナス、という話もしばらくは聞くことはないでしょう。ゴールドマンのボーナスが平均7千万、新卒1千万なんて話もありましたね。
しかし、強欲な人たちの集まるこの業界、このまま、預金を集めてコーポレートローンを出して、という業務では大金は稼げませんから、次のネタを一生懸命探すでしょう。僕は個人的に、次のターゲットは「排出権取引」ではないかと思っています。
地球環境を守るという大義名分、取引量の算定の不透明さ、市場の新奇性、どれも有力候補としての条件を満たしています。貧者にも家を、という大義名分、将来キャッシュフローの不明確さ、などはサブプライムの特徴の一つでしたね。
②不動産金融
サブプライムという言葉が世間を賑わせた2007年、最も影響を受けるのは住宅ローン金融だと思われていましたが、日本においては、実は一番ひどいことになったのは不動産金融業界でした。「信用収縮」で借金返済を迫られて一番困るのは不動産屋さんだったのです。
2007年に最高益をたたき出していたアーバンコーポレーション、ゼファーなど新興不動産ファンドが次々破綻し、マンションの売れ行きも完全にストップ、世界でも日本でも不動産の証券化商品、CMBSも市場が実質的に消滅しました。
今後の展開は、一重に金融機関の貸出し姿勢にかかっていると言っていいかもしれません。それが明確なので、金融庁も2007年までとは正反対の行政指導に入っているのです。官民あげて支えないと、パシフィックのような例外を除き崩落する危険性すらあるのです。
③為替
欧米の金融危機が深刻化するにつれ、すべての通過に対して円高となった一年でした。2008年の年初は、1ドル110円、1ユーロ160円、1ポンド215円、1豪ドル95円程度でしたが、現在はそれぞれ、90円、127円、133円、62円です。2割~4割の変化です。
欧米がもはや「なんでもあり」の政策総動員体制になり、金利も驚くほど急激に低下させました。日本の金利政策を散々コケにしていた米国がゼロ金利になるなんて、1年前に予想できなかったことでしょう。どの国ももう下げる金利はありません。
今後は、世界中が超低金利のため、どの通貨でどこに預金しても大して金利のつかない世界になります。そんな世界で誰も為替リスクは取りませんから、外に出て行っていたお金は、各国に還流します。日本人が外貨預金を止めるイメージです。
そうすると、日本のように個人が預金を持っている国は良いですが、米国のように家計が赤字な借金体質の国からはじわじわと流出していく、つまりその国の通貨が弱くなっていく方向性が見えます。政治がこの流れをどうコントロールするかが焦点でしょう。
④日本経済
年初にここまで経済が悪化するとは予想されていませんでしたが、日本経済もやはり米国の過剰消費におんぶにだっこだったことがクリアになりました。トヨタが2兆円を超す黒字から1,500億円の赤字に。「日本の誇り」の商売は、米国のレバレッジ消費に乗っかった商売だったのです。
学生の内定取り消し、派遣労働者の契約打ち切り、そして外資系を中心としたリストラに加えて、ソニーやパナソニックを中心とした製造業による大量解雇が始まり、失業率はかつての記録5.5%を超える水準まで上がり、大失業時代がやってきます。
個人的には、2009年にさらに危機に陥ると思われるアメリカに、日本の国富をむしり取られないように、政治にしっかりしてほしいと思います。米国債を買うのはストップした方がよいし、妙な基金にカネを出す余力も日本にはすでにないはずです。
いずれにせよ、大変だった2008年は終わりますが、2009年も試練の年になりそうです。がんばりましょう!