昨日、NHKが三菱UFJ証券とモルガン・スタンレー日本法人の統合検討をすっぱ抜きましたね。
今回は、あえて朝日新聞のお気楽な論調を見てみましょう。


三菱UFJ証券とモルガン日本法人の経営統合検討
2008年10月3日13時40分

 三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)が子会社の三菱UFJ証券と、出資を決めた米金融大手モルガン・スタンレーが日本に置く証券会社との経営統合を検討していることが3日、分かった。実現すれば、企業の合併・買収(M&A)業務の取引規模では野村ホールディングス(HD)に匹敵する国内最大級の証券会社となる。
 MUFGは、サブプライム問題で経営が悪化したモルガンを救済する形で、同社株の21%を約9500億円で取得することに合意した。
 関係者によると、MUFG側は国内証券業務のてこ入れへ、モルガンとの抜本的な関係強化を期待している。モルガンはM&A関連業務などに強く、合併以外に、三菱UFJ証券の法人部門をモルガンに統合するなど様々な形態が検討されそうだ。具体的な内容は09年6月までに詰める方向だ。ただ、MUFG内には、慎重論も残っているという。
 モルガン日本法人は、持ち株会社傘下に証券、資産運用など5社を置く。情報会社トムソン・ロイターによると、国内企業がかかわる昨年のM&A助言業務の取引規模はモルガンが179億ドル(1兆8795億円)、MUFGが183億ドル(1兆9215億円)。合計で野村HDの342億ドル(3兆5910億円)に匹敵する。


単純に表面上の足し算で「最大級の証券会社の誕生か」と書いてますが(他の新聞もほぼ同じ)、
統合したところでシナジーは無いどころか、いいことは何も無いでしょう。三菱UFJの社員も、
モルガンの社員も、この話を歓迎している人はほとんどいないんじゃないでしょうか?

以前、日系と外資系(特に米系)の組織の違い をブログにかきましたが、こういった根本的な所から、
報酬体系、労働形態、そして社員のマインド・プライド(←これが一番融合不可)も全く違います。
モルガンの報酬はざっと平均で2-3倍、労働は完全に労働基準法無視、プライドは100倍高い。

そもそもこの出資自体が意味不明で、みずほCBのメリル出資並に何をしたいのかわからないのですが、
この出資は、何にでも慎重な畔柳(くろなぎ)社長を、大森副社長が押し切ったと言われています。
これの意味づけの一つ(=経営陣の言い訳作り)に統合が行われるのでは、社員はたまりませんね。