今日もまた懲りずにレンズ性能(ある意味魔法)の話しである。


最近、星の写真撮影に又々輪をかけて夢中になっているので、まぁ〜 自身でもその感性を少しでも忘れない内に‥


以前相当前に(25年以上前)、局のカメラマンをしている友人に「レンズのF値てって君は良く解ってる?」 と、唐突に質問された事がある。


当時は私もあんまり細かくは意識もして無かったが! (スチールカメラにも当時は興味も無かった。) 


扱っている局用のカメラの露出調整に使う絞りの値(数字)と言うことと、理論的にはざっくりレンズの最大口径を焦点距離で除したものと彼に答えた記憶がある。


まぁ〜 今、深く考えて見ると‥ 彼は僕とは違い映画撮影から勉強して来た人なので、ビデオカメラレンズのメモリのF値と同じ仕組(同じ意味)みだが単位の異なる映画撮影用のカメラレンズの絞りにふられているT値表示との関係を僕に聞いて来たのかもしれない?


当時はそう聞かれて映画カメラのT値の事は浅く知ってはいたが、F値との関連(相関)が解る程詳しくは無かったので友達の質問に、それらを関連付けるような事(気の利く答え‥)も思い浮かばなかった‥


まぁ〜 それ以前に‥ 


F値自体のことですら〜 ちょっと自分でも疑問点も有ったり(気になっていたが‥)はしていたがそれらの追求(興味も)はして無かった。


F値の知識と言うと、カメラの露出調整為の絞りの値(数字)と言う意味の他に、絞りを一番大きく開けたときにはF値は最大限小さい値(数字)だと言う事と(明るいレンズは光を取り込む量が多く最小F値が小さい。)、F値が小さければ小さい程より写界深度はが浅くなる(ビデオカメラの場合センサーが小さいのであまりそんな意味も薄いが‥)と言う事の上記3点くらいのことしか当時の私の頭には浮かばなかった。


ビデオカメラの場合はスチールカメラの交換レンズとは異なり〜 レンズ交換はそれほど頻繁にはしないので‥ レンズ自体(個体)の明るさをF値で表現(明るいレンズ・暗いレンズ等)するような事は殆どしない。


最近の業務用のハンドヘルドカメラには大体表示されている。(最小F値〜最大F値 ‥ 多分Fドロップの関係!?)


言わば焦点距離の問題でレンズ(ショートズーム・標準ズーム・高倍率ズーム)を変える事はあるが明るいF○.○のレンズで今回は撮ろうと言うようなスチールカメラ的な発想は多分殆どない。(明るいレンズは性能が良いと言う感覚はあると思うが‥)


そう言う意味でビデオカメラとは似て非なるものであるデジイチを最近頻繁に私は触る(野生動物の写真撮影)ようになって‥ 


何気にちょっと交換レンズと言う光学工業製品が気になってF値なるものを今回再学習したので有る。


レンズの最大口径って何んだ? 前玉と後玉でレンズの大きさ(直径)はかなり違う!


F○.○の数字ってF値を表現する値(数)だケド絞りを絞るとF値って動かすツド変わるよね?


と、言うそんな事が‥ 先ず、気になった。


そして調べるとレンズの最大口径はレンズの射出瞳(絞り)の最大口径で有り、勿論、絞りが動け(開け閉めする。)ばF値も変わる事に気付いた。


そうである!! それが絞りとF値の関係なので有る。


レンズの性能としての明るさを示すF値とはレンズの焦点距離をレンズの最大口径(入射瞳=最大有効レンズ口径)で除した値である。


※最大口径は絞りと連動して変わる。


それが50mm F1.8の単焦点レンズと言うようなレンズ性能のレンズの明るさの表現である。(そのレンズの何処かに大体表示されている。)


上記例は僕が所有するレンズの中で最も明るいレンズである。


そう考えると‥ F値の明るさとはレンズ固有のもので絶対値では無い事も読み取れる。


F値はセンサーやフィルムに当たる光の強さ(絶対量)では無い。


F値はレンズの入射瞳口径(最大有効レンズ口径)に影響されるもので各メーカーのレンズによって相対的な値である。(ザック表現すれば入射瞳[有効レンズ口径]の口径の値が大きく焦点距離が短いレンズは明るいレンズと言う事である。)


なので? 簡単に言えば‥ 色々な種類やメーカー製のレンズが有る中で、それらが同じ値の絞りにしてもセンサーに受ける明るさ(量)は必ずしも同じでは無いと言う事で有る。(世の中に数あるレンズには勿論同じ場合も多々有ると思うが、F値が同じでもセンサーが受ける明るさが必ず同じ明るさでは無くセンサーが受ける光量の単位では無いと言う事で有る。)


それに比べてT値はT値が同じなら全てのレンズで明るさ(センサーに当る光の量)が同じなるように統一されている絶対値(表示)の単位である。(センサーが受ける光量の単位である。)


良く言われているのはT値はF値にレンズの透過性能を加味して光の大きさを計算した絶対値である。


どのメーカーのレンズを使用してもT値は基本統一されているハズ!? である?? (最低でも同じメーカーのレンズのTは統一されて無いとT値表記の意味が無くなる。)


まぁ〜 今、良く良く考えると‥ 映画等(ドラマ)を撮る事を想定した場合に遠近表現や役者さんの動きで画角が変わるようなシーンで広角とか標準とか望遠レンズ等と交換する場合にはT値の表現だと露出設定に物凄く利便性が高い。


映像が前のカットとつながる場合はさっきまで撮っていたT値(変える前のレンズのT値の値)と変えたレンズのT値を同じにした(合わせた‥)だけで露出の調整は大体はそれで済むのである。


※まぁ〜 超望遠レンズ等でレンズ交換による被写体までの距離(照明減衰)等で多少は調整が必要な場合もあるとは思うが!


F値の場合は厳密にはWFMモニター表示計測が必要である。


それがT値とF値の露出表現の違いである。


まぁ〜 あの頃にそう(上記)言う感じで友人に説明(回答)出来ればよかっのだが‥


それはそれで当時は知識も興味も無かったので仕方がない。


反省しこれからである。


さて‥


タイトル内容の本題に入る。


良いレンズとは果たして何か?


貧乏な僕は価格の高いレンズであると言う表現は意地でもしたくは無い。


まぁ〜 それでも‥ 値段の高いレンズは勿論性能が良いのは認めてはいるのであるが!


まぁ〜 僕にとって良いレンズとは何か? と、言う事で有る。


もっと付け足せば‥ 必要に応じたレンズとはどういうものかである?


最近のレンズの解像感とかの描写はレンズ固有能力を示すMTF曲線等を参考にすると‥


安いレンズ(キットレンズ等)でも、高級レンズでもそうそう大きく変わりは無い。


では、高級レンズと安いレンズとの差とは何か? と、言う事で有る。


私が最近のレンズを何気に見て感じた事で有るが!(独断と偏見を含む‥)


先ず、①描写(画質)性能と、②使い勝手(操作性能)に大まか分けて考えると。


①は a.レンズ(写真映像自体)の中心部の描写と周辺部(縁辺部)の映像描写(解像度や収差の関係)の差とか、b.背景のボケ味や、そのボケ方(これも上記とは違う種類の収差)についてとか、c.そしてレンズ自体(性能としての‥)の明るさや暗さ(F値)の差で有る。


a- 普通はレンズの中心部分の解像度が高く各収差も少ない。しかし中心から離れれば離れる程縁周部分は段々とそれら性能は徐々へと落ちて行く。b- ボケ味は被写界深度によるボケ感(深い・浅い)と、ボケの形状(玉ボケとか2線ボケとか)に関した性能。 c- F0.9のレンズは非常に明るいとか‥


今の製品のレンズ性能で重要度の高い解像感についてもある一定条件下ではそんなにも驚く程の個体差は無い。


②については、マニアルフォーカシング等が素早く正確にできるか等の使い勝手の事で有る。(勿論、オートフォーカスやISも含む。)


万民が使うカメラではレンズ自体の重さ軽さ大きい小さいの事も性能と見なされる。


コンパクト性を重視した性能が良いレンズが好まれる。


僕のように野生動物の撮影をする人とか、失敗が許され無いプロの撮影には②の上記使い勝手は重要な要素である。


一般にポートレートや風景写真を何気に撮っている分にはそんなレンズに使い勝手に高級機能もいらないようにも思える。(お金持ちで潤沢に資金の有る人なら色々と優秀な機能は有ったにこした事は無い‥)


私し自身も野生動物(小鳥の撮影)を撮影するが‥


案外今所有してる安い(安価な‥)レンズでもソコソコは満足している。


野生動物撮影の場合(小鳥の撮影)は先ずシャッターを切る事を急ぐ為に露出はとりあえずAI(カメラ)任せ。


長秒露出が必要な星空の撮影や、夕景等の微妙な色表現の必要な風景写真撮影の場合はマニュアルにする事もあるが普段露出は大体がオートである。


フォーカスについてはオートフォーカスを未だ信じて無い(自分のカメラでの性能‥)のでマニュアルフォーカスしか使わない。(自分の反応がもたついて動物に逃げられたら〜 それはそれで仕方ないので諦める。‥ それでも、自分のカメラではオートフォーカスに頼るよりもマニュアルフォーカスの正確性の確率は十分高い。)


まぁ〜 その為マニュアルフォーカスリングの操作性能にもう少し正確性(振り幅と滑らかさ)が欲しいなぁ〜 とか‥ 今日はISには助けられた。 と、思う事(高級機能)もごくたまに有る。


手ブレは基本早いシャッタースピードに頼りたいのだが? 露出をAIオートにしてるので絞りが追いつか無い暗い時にはシャッタースピードが自動でちょっと遅気味になって‥ 動いている遠くの小さい被写体へのブレのリスクが大きく増す。‥ 


なので、レンズへと搭載されているIS頼みの時もたまに有る。


私の場合、風景撮影は基本はセッティングに急がないので‥ のんびり色々と設定調整が出来るので最低限のキレが有れば安いレンズ(ハイエンドレンズで無くても!)でもあまり困らない。(環境の光の状況によってはセッティングを急ぐ必要に迫られる場合もあるが大体はの話しで!)


と言う事で‥ ①は、ほぼ最近のレンズで有ればそれほどは性能については困らない。(撮った写真の解像感とフォーカス操作でのシャッキリ感では‥)


特に野生動物の写真は画角の真ん中の描写が優秀なら大体はそれで良い。(撮影時被写体の構図等考えている時間は無いので有る。)


まぁ〜 特に人物描写をする機会が私にはあまり無いかからかもしれないが‥ 安価なレンズの性能でも最近の設計のレンズで有れば描写力は満足である。


被写界深度を極端に狭くする必要が無く、かつ‥ ある程度明るい環境での撮影なら〜


大体の市販レンズ(サードパーティ製も含む‥)は値段の安い高いに関わらず高性能(優秀な設計技術)な事が僕には判っているからである。


そう考えると‥ 良いレンズ欲しいなぁ〜 と、悩むよりも‥ 先ずは撮る機会を出来るだけ増やす事が大事! 


そう思う。


それでタイトルにある『 魔法のF値 』の話しだが‥


安価なレンズは‥ 思い切って開放よりもF値を1段階絞る事を常に心がけると①の描写面では高級レンズとほぼ同じような性能に所有する殆どのレンズは変身する。


つまり、流し撮りのようなシャッタースピードを遅くしたい状況下、長秒露出の星景写真撮影のような環境が暗い状況下、被写界深度を浅くしたい状況下‥ での限定での話しである。


そう判ったからである。


上記環境以外はそうそう開放を故意に使う事も無いと思う。


上記したように開放の明るさの意味は勿論あるが‥ まぁ〜 実際にあんまり開放を故意に僕は使わない。(必要に迫られる事が今の時点では無い。)


反対を言えば‥ 星景写真とか天文写真とかは明るく各収差の少ない高級レンズが必要なのである。


天文屋(天体撮影)さんの撮る写真のような実景(本来の形)に忠実な描写を最大限重要視する撮影とは並大抵の知識や安易な機材では早々には実現出来無い。


私もその分野でも最近色々と勉強させてもらっている。(入れば入る程にめげて行く!)


赤道儀の原理は(どう言う動きをするか!)とか、収差を利用した正確なフォーカシングの理論とか‥ 大変面白く興味は有るのだが‥


山頂等のインフラの無い所で赤道儀に何とか現場(撮影場所)で電源を供給したり、細かく極地(北極星)調整したり〜 センサーに冷房機能あるカメラを使用したり、遠くの(小さい‥)星雲等の撮影に1時間バルブで露出するとか‥ 技術的な観点とか‥


想像を絶する!!


自分はドラマ制作に昔し関わって来た。


ドラマ制作とは現実感に満ち溢れた嘘の世界を作る作業(仕事)で有る。


天体写真はどんなに頑張っても‥


星の形を今の技術で球形(実態)には表現出来無い。


何かイメージとは矛盾してるが、星が高輝度過ぎて‥ 球体でも写真に撮ると白い点にしか工夫を凝らしても(天文家さんの技術でも‥)写真には写らない。


多少色のあるものがあるが、、何かのっぺりした感がある。


まぁ〜 想像して見て欲しい!


遠く小さい星ではなく、身近な月の大きでもそうで有る。(明る過ぎて人の目には立体的「球体」に見えない。)


しかし、映画等用にAE(コンポジションソフトウエア)なら球体の星空も作れる。


僕から言わせると撮影よりも楽である。(時間はかかる🦆? だが‥ お茶しながらでも作れる、疲れない‥ 寒く無い!)


まぁ〜 出来上がった‥ 表現として、どっちが良いか? とか、言う事では無い!


所有している機材(自分能力も含む‥)の範囲で色々とやって見て出来る事も有り出来無い事も有る。


それをどう工夫するかが面白いのだと僕は思うので有る。


なので僕は‥


僕は今の相棒(所有する機材)と当分工夫しながら頑張って行きたい。


まぁ〜 そんな中で‥


射出瞳を開放よりも1段回絞ると言う事が魔法で有る事を先ずは今回見つけたので有る。


まぁ〜 以前からその事は写真撮影技術では良く一般にも言われていた事だが実感したと言う意味である。


もっと言うと‥ 造形が深い愛好家やプロは、先ず‥ 最初から良い高性能レンズを持っているのでそんな事を知ってても必要も無い。


では失礼だが僕と同じでレベルの機材で撮影をしている人で知っていても実践している人はそんなにはいない気がするからそう思うので有る。


魔法は使えるなら使った方が良いのは勿論である。


AdobeAEで制作した星空のCG。(細かい星も全て球体で描かれ動画では流れ星は流れ星も瞬く。)
実写の星空。(1段回絞ってF2.0/シャッタースピード15秒/ISO1600 軸上収差等各収差は抑えられてると思うが、光芒が発生し星一つ一つはノッペリした平面的な感じがする。)