「あなたたちは、1時間もすればすぐ消えてしまう火で私を脅しますが、神に背く者たちにやって来る裁きと永遠の罰(地獄)のことなど何もわかってはいません。」
これは、イエス・キリストの使徒・ヨハネの弟子だったポリカープの言葉です。
イエスの使徒たちは、その信仰のために迫害を受け、ほぼ全員が残酷に処刑されましたが、ポリカープもまた、迫害と処刑の対象になりました。
クリスチャン迫害を行なっていたローマ帝国軍は、86歳だったポリカープを逮捕し、
「キリストを呪え」
と強制します。
拒めば待っているのは生きたまま火で焼かれる火の刑です。
しかしポリカープにとって、キリストを拒むことで待っている永遠に燃え盛る地獄の火に比べれば、肉体だけを燃やし、そのうちすぐ消えてしまう火などどうってことはなかったのです。
また聖書には、同じように火の刑に遭った青年3人の話があります。
彼らは神の民であるユダヤ人でしたが、バビロン帝国が当時彼らが住んでいたユダ王国を制覇し、他のユダヤ人と共に強制的にバビロン帝国に連行されました。
そして、ハナヌヤ、ミシャエル、アザルヤという3人のユダヤ名は、シャデラク、メシャク、アベデ・ネゴというバビロン名へと変えられ、もう一人の若者ダニエル(バビロン名ベルテシャツァル)と共に、王の宮廷で仕えるべく様々な教育や訓練を受けました。
彼らは神によって知識と才能を与えられたため、全ての分野で群を抜いて優れ、王に感銘を与え、王に仕える常任補佐官として取り立てられました。
神から才能と知識を授かり、王にも気に入られ、一見全てのことが順調に見えた4人の生活は、当時のバビロン王ネブカドネツァルが一つの巨大な金の像を建てたことで大きく変わります。
ネブカドネツァル王は、全ての者にこの金の像にひれ伏して拝むことを命令し、誰でも拒む者は、直ちに燃え盛る炉に投げ込まれることとなったのです。
ユダヤ人を中傷しようと試みたカルデア人により、この像を拝んでいないことを王に通告されたシャデラク、メシャク、アベデ・ネゴ。
王は大変憤り、3人にこう言います。
「もしも拝まないなら、直ちに燃え盛る炉に投げ込ませる。お前たちをわたしの手から救い出す神があろうか。」(ダニエル書 3:15 )
しかしポリカープのようにこの3人もまた、人間の火など恐れることなく、王にこう答えたのです。
「わたしたちのお仕えする神は、その燃え盛る炉や王様の手からわたしたちを救うことができますし、必ず救ってくださいます。 そうでなくとも、御承知ください。わたしたちは王様の神々に仕えることも、お建てになった金の像を拝むことも、決していたしません。」(ダニエル書 3:17-18)
怒りに燃えたネブカドネツァル王は、炉を通常の7倍熱くするように命令し、兵士の中でも特に強い者に彼ら3人を縛り上げさせました。
炉は激しく燃え上がり、3人を引いていった兵士たちさえも焼き殺すほどでした。
シャデラク、メシャク、アベデ・ネゴは、それほどまでに熱く燃え上がる火の中へと投げ込まれたのです。
命を落としたと思われた3人ですが、ここで奇跡が起きます。
「王は言った。 『だが、わたしには四人の者が火の中を自由に歩いているのが見える。そして何の害も受けていない。それに四人目の者は神の子のような姿をしている。」(ダニエル書 3:25)
縛られているはずの3人は、何の害も受け受けず、燃え盛る火の中で神と共に歩いていたのです。
3人に炉から出てくるよう命じた王は、出てきた3人を見て驚愕します。
火はその体を損なわず、髪の毛も焦げてはおらず、上着も元のままで火のにおいすらなかったからです。
彼らが仕える神こそが真の神だと知ったネブカドネツァル王は、こう宣言します。
「シャドラク、メシャク、アベド・ネゴの神をたたえよ。彼らは王の命令に背き、体を犠牲にしても自分の神に依り頼み、自分の神以外にはいかなる神にも仕えず、拝もうともしなかったので、この僕たちを、神は御使いを送って救われた。 わたしは命令する。いかなる国、民族、言語に属する者も、シャドラク、メシャク、アベド・ネゴの神をののしる者があれば、その体は八つ裂きにされ、その家は破壊される。まことに人間をこのように救うことのできる神はほかにはない。」 (ダニエル書 3:28-30)
あの時、シャドラク、メシャク、アベド・ネゴは、炎の中にいながら、この世で一番安心安全な場所にいました。
神と共にいたからです。
そして、神は彼らを縛っているものを取り去り、自由にしました。
神は、私たちに順風満帆な人生は約束しません。
クリスチャンとしての人生は、ありとあらゆる嵐や炎で溢れています。
しかし、
「わたしは、決してあなたから離れず、決してあなたを置き去りにはしない」と言われました。」(ヘブライ人への手紙 13:5)
と神が約束するように、どんな時も神が共にいてくれ、乗り越える強さを与えてくれます。
そして、神は私たちを縛り付けているものを取り去り、本当に自由にしてくれます。
神を信じない不信心者を殺した火は、神を信じる者の束縛を解き、自由にしたのです。
人間の火は、神を信じる者にとって全く恐れるものではないのです。
だからこそイエスは、
「体は殺しても、魂を殺すことのできない者どもを恐れるな。むしろ、魂も体も地獄で滅ぼすことのできる方を恐れなさい。」(マタイによる福音書 10:28)
と言うのです。
神を信じるクリスチャンは人間の火で脅され、殺されるかもしれませんが、神を信じない者は、永遠に燃え続ける神の火で苦しむことになります。
信じるか信じないか。
一瞬で消える人間の火か永遠に続く神の火か。
どちらを恐れ、どちらを選ぶかで、あなたの死後の行き先は決まるのです。
一人でも多くの人が、真実の神へと導かれますように。
アーメン✝️
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ポリカープの処刑に関するブログ
https://ameblo.jp/dscpl/entry-12531165258.html