中学生にとって、部活動の意義が大きいことは、改めて言うまでもありません。
ママ世代では、毎日部活動のために学校へ通っていたという人も多いはずです。
掲げた目標に向かって、仲間と汗と涙を流しながら、厳しく辛い練習に耐える日々を送っていました。
その厳しさと辛さによって、より仲間意識が高まり、苦難に耐える力も養えたはずです。
先日もある中学校のハンドボール部で、全員丸坊主にさせられた。
という報道がありました。
1人の部員が問題行動を起こしたので、その責任をみんなで償わされたのです。
また、ある学校では、平手打ちをされたなど体罰があったという報道もありました。
時代が変わって来ています。
2019年、日本でラグビーワールドカップが開催された時のことです。
ラグビーを盛り上げるために、山下真司さん主演のスクール・ウォーズを再放送をしようとした時、
連帯責任を負わせてる
体罰がある
などの理由で見送られたそうです。
アタックNo.1や巨人の星などのアニメも、最近では再放送はありません。
スポーツ界から、根性論は日本のおとぎ話になっています。
理論と主体性が、日本のスポーツを大きく変えています。
以前は、サッカー選手の茶髪や態度に対して、意を唱える人が多くいました。
しかし、今では、野球選手はもとより、どのプロ選手も、髪を染めたらマニュアルをしたりが当たり前になりました。
自分のパフォーマンスを上げるためには、必要不可欠だととらえられています。
そして、さらに中学校の部活動のあり方についても、おおきな転換期を迎えています。
それは、連帯責任や体罰といったものは言うまでもありませんが、存続の問題です。
教員の働き方改革を推進するための一番の問題が、この部活動です。
勤務時間前の朝練習や勤務後の夕方練習、そして、土日の休養日の休日練習に、教員は多くの時間をボランティアという名で費やしてきました。
そこに、メスが入ったのです。
現在は、教員ではなく、地域の指導者に部活動を任せる動きがおきています。
ただ、先生は顧問を任され、限られた時間は指導者として位置付けられています。
しかし、この先は、中学校から部活動は無くなります。
それは、学校にとって都合の良い外部指導者を継続的に確保することは非常に難しいからです。
そして、部活動が、顧問の先生にとっても、やり甲斐もメリットも何も感じられない活動になってしまうことは、明確だからです。
そうなると可哀想なのは子どもたちです。
教育格差によって、将来に夢を馳せらない子どもたちが生まれてしまうということです。
お金と親に送り迎えの余裕のある家庭の子どもは、地域のクラブチームに入って、部活動の代用はできます。
しかし、余裕のない家庭の子どもたちは、授業後や、休日はなにをするのでしょう?
運動神経や才能があっても、開花させられずに蕾のまま、しぼんでしまうことは、日本社会の損失です。
中学校の部活動によって、人生が変わった子どもたちをたくさんみてきました。
今後は、部活動が無くなることによって、人生が変わってしまう子どもたちがたくさんでてきます。