ある小学校の入学式でのことです。 


式が始まる前、緊張して座って待っている新一年生に、先生が入学式の進め方など、色々な話をしました。


座り方の指示をだした時のことです。

女の子は、手を重ねて膝の上に置きましょう。

男の子は、軽くゲンコツを握って膝の上に置きましょう。


その指示を聞いたある男の子が、両方のこぶしを胸の前にあげ、リズミカルに左右に振り出したのです。


すると、みるみるその動きは連鎖して、女の子も踊りだしました。


「ビング バング バング ボーン」

という歌声は、どんどんと大きくなり、どの子もノリノリです。


会場中は、緊張感から解放されて、和やかな雰囲気になりました。これを狙っていたなら、流石ベテランの先生と言うところだったたのですが、そうではなかったのです。


その姿に度肝を抜かされたのが、前で指示を出していたベテランの先生です。


静粛の中、式を行おうと出した指示によって、大騒ぎになってしまったと焦ってしまいました。


「何してるの!静かにしなさい!」


出る言葉は、注意する厳しい言葉ばかりです。


きっと、その先生は、今流行りの

「Bing-Bang-Bang-Born」

この歌を知らなかったのです。


もっと驚かされるのは、

「女の子は、男の子は」

と手の置き方を指示している点です。


児童用の名簿も、男女混合になって久しい時代にあって、教育現場で未だにジェンダーフリーの意識が浸透していないのには驚きです。



先生は世間知らずだとよく言われます。

朝早くから夜遅くまで学校で働き、往復するだけで、1日が終わります。


働き方改革というけれど、それ以前に、最新の情報を共有し、生き方を背で示す身近な大人が、先生であって欲しいものです。


これからの時代を生きる子どもたちが憧れるのは、昔の話をする先生よりも、これから未来に向けたワクワクする話をしてくれる先生です。