ある調査によると
「放課後に友だちの家に遊びに行く」
と答えた小学生の割合が
10年前には
50.6%
今は
29.1%
に減少しているという結果が報告されました。
では、今の子どもたちはどこで遊んでいるのでしょうか?
市の政策で、放課後児童クラブが整備されています。
家に帰らず、親が仕事終わりに迎えに来るまで、クラブハウスで過ごしているのです。
親が家にいる家庭では、子どもは下校し家で過ごします。
しかし、友だちは児童クラブに行っているから、遊びに来ることも、自分が行くこともなくなっているのです。
それは、それで核家族になり、共働きの家庭が増えて、家で遊ぶことが減ったのなら、仕方ないところもあります。
平日ならなおさらですが、親が在宅している休みの日でも、子どもたちの家の行き来は減っています。
その理由が、
親が、友だちが家に遊びに来て欲しくないから、我が子も遊びに行かせない
ということなのです。
なぜ、親はそう考えるようになったのでしょうか?
遊びに来た友だちに、お菓子などを出してあげたい。
ただ、アレルギーなどがあったら、トラブルになってしまう。
訪問した子どもが家の様子を見て、親に伝えられたら、どう思われるだろうか
などと身構える親が増えているのが現実です。
だから昔のように、散らかった家に友だちが気楽に遊びに来て、そのあたりにあるお菓子を勝手に食べていた時代ではなくなっているのです。
子どもにとって、自分の家が
世界の全て
です。
友だちの家に行くことで、我が家の当たり前が、友だちの家では当たり前でないことに気づきます。
礼儀作法
言葉遣い
食べ物や食べ方
など、それぞれの家にはそれぞれの個性があります。
まさに、小学生にとっては、多様性を学ぶ貴重な経験なのです。
大人にとっての海外旅行へ行くほどの経験ができるのです。
先生の家庭訪問がなくなり、お祭りの親戚の集まりもなくなるなど、家庭に人を招く機会がどんどんと減っています。
友だちの家で遊ばなくなった子どもたちが大人になった頃には、家はプライベートな場所になるでしょう。
大人になって、ふとした瞬間に思い出す
友だちの家の匂い
や
カレーの味
や
おばさんやおじさんの
「また、おいでね」
と言う声は
今でも、生きる糧になっています。