優勝以外がすべて落選だと定義すれば、私は最後の最後まで落選続きのSpeech人生を送っていました。どうしても優勝できない。どうすれば優勝できるのか?日々頭を悩ませては色々な方策を試しましたが、優勝するまでの道は本当に長いものでした。
「もうこのまま優勝することが出来ずに終わるのか?」そんな強烈な不安と戦いながら3年生の後期をむかえたのです。結果的に福澤杯でも準優勝に終わり(つまり落選)、本当に土壇場まで行って、やっとの思いで大隈杯と水上僚子杯で優勝することが出来ました。
決して平坦な道のりを歩んできたわけではありませんが、優勝するまでの落選の経験は無駄なものではありませんでした。私は落選を重ねることによって、「勝負に対する覚悟」を深めることが出来たからです。ここでいう「勝負に対する覚悟」とは、敗因を分析し、即座に対策を実行するということを指します。
私はよく、残念ながら落選してしまった後輩に対して、「どうして落選したのか、ためしに10個くらい考えられる原因を挙げてみたら」と言ってみます。かつて、10個だけでなく30個原因をあげてきた後輩がいましたが、こういう人は次のシーズンで必ず優勝します。自分が落選した原因を徹底的に追究する覚悟を持っているからです。
さらに大事なのは、そういう人はその日から行動を起こしているということです。Judgeのコメントを分析し、納得したものを取り込み、Rewriteを開始します。Rewriteが終われば、Englishのチェック、Deliveryの練習に取り組みます。落選に対する悔しさが大きいうちに動くことによって、驚くほど効率的にSpeechを改善することが出来るのです。
中規模な大会で優勝したことがある人はこれができません。「Judgeはわかっていない。自分の伝えたいことだけ伝えればいいんだ」と言って、何も対策をとろうとしないのです。過去に優勝したという無駄なプライドが、勝利に対する貪欲さの邪魔になるのです。
落選した時は本当に悔しいものです。自分を落選させたJudgeに対する怨念すらわいてきます。しかし、落選の怨念をマイナスのまま抱えるのではなく、その怨念をより良いSpeechを作るためのプラスのパワーに変えなくてはなりません。そのためには、落選した日の夜は1時間だけビールでも飲んで、次の瞬間から行動を起こすことが必要なのです。
『勝利のために40』
落選の怨念をプラスのパワーに変える
