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Drunk on Speech

このサイトは慶應義塾大学英語会Chief of Speechだった作者が、今まで学んできたこと・感じてきたことを公開しているものです。

大学生向けのエッセイを次々と公開していく予定です。どうかみなさんのSpeech作りの参考にしていただければと思います。


Win


レクチャーで紹介したことをすぐに実行する現役生は少ない。本を読めとか、メモを取れとか言っても、せいぜいやるのは100人中10人くらいが関の山だろう。その貴重な10人の中でも、言われたことを継続的に実践する人は、3人いればいいくらいなのだ

最初の10人を増やしていくのはほぼ不可能に近い。僕もはなっからそんなことはあきらめている。
しかし、一度はアドバイスを実践してみた10人のうち、7人くらいはそれを習慣にしてもらいたいのだ。

肝心なことは、いきなり初日から無理をするなと言うことだ。
本を読めと言われた翌日に、一気に3冊の本を読破してしまうような後輩は長続きしないのだ。焚き火に新聞紙を放り込んだようなもので、一度はバッと燃え盛るけれど、すぐに火は消えてしまう。最初はマイペースでもいい。でも、毎日少しでもいいから継続することを心がける。ペースは徐々に加速していけばいいのだ。焚き火にはブナやナラなどの燃えにくい木が最適である。長時間かけてゆっくりと燃やさなくてはならないが、一旦火がつけば、その燃焼力は驚くほど長持ちするのだ


Win


準優勝に終わってしまったときに、「おめでとう。かっこよかったよ」と言われることくらい腹立たしいことはない。言った本人は慰めのつもりで言葉をかけたのだろうけど、準優勝でかっこいいなどということはありえないのだ。

準優勝した先輩を見て、「私も先輩のようなSpeakerになりたいです」というのもおかしな話だ。先輩からしてみたら、可愛い後輩には自分のように優勝できなかった悔しさだけは味わって欲しくないと願っているはずだ。

ESS内で、
「準優勝おめでとう」という言葉は禁句にしなくてはならない。「おめでとう」という言葉は優勝した人にだけ捧げればよい。惜しくも準優勝に終わった人には、「次こそ優勝だ」と激励する。そういうESSがこれからどんどん伸びていくのだ。


Win


「Speechを見てください」と言って原稿を送ってくる人は次の2種類のタイプがいる。

1. コメントをもらってから、「大変参考になりました。ありがとうございました」という言葉を残して、それっきりまったく音沙汰がない人

2. 「頂いたコメントを元に書き直してみました。もう一度見てもらってもよろしいでしょうか」と何度も食らいついてくる人


毎年、1のような人が100人いるとしたら、2のような人は恐らく3人くらいしかいない。しかし、面白いもので両者が勝ち取った優勝カップの数には歴然とした差が表れてくる。
コメントをもらってから何にも言ってこない人が100人がかりで大会にのぞんでも、何度も食らいついてきた3人が勝ち取った優勝カップの数には到底及ばないのだ

1回のコメントですべてを吸収することなど出来ない。コメントをもらったときは感激して帰ったSpeakerも、いざ自分で書き直そうとすると筆が進まない。Speechとはそういうものなのだ。そういうものなのだから、
1回目のコメントでもらったことを全部達成できなかったからといって、2回目のコメントをもらいに行くのをためらってはいけない。色々考えたけれど、どうしてもアイデアが思い浮かばなかったことがあれば、素直にそれを打ち明ければよい。また、一回目にもらったコメントのうち納得できないものがあれば、それは採用しなくたって良いのだ。もしもそれで怒りだすようなInstructorがいたとしたら、そういう人にコメントを求めたこと自体が間違っていただけである。気にする必要はない。

不思議なことに、1回目のアドバイスを元に書き直されたSpeechを改めて見てみると、
2回目のコメントの際には1回目では思いも寄らなかったアイデアがInstructorの頭に次々と浮かんでくることが頻繁にある。Instructorも神様ではないので、一回ですべてのアイデアを提供することなど出来ない。だから、何度も何度もInstructorに食らいついて、彼らの引き出しの中を徹底的に洗い出してみるということが必要なのだ。

時には、「顔を洗って出直して来い」と言われることもあるだろう。しかし、「顔を洗って出直して来い」というのは、「二度と目の前に現れるな」という事ではない。
「良く考えてからもう一度来い」というチャンスをもらっているのだ。


Win


これまでSpeechの予選審査というとテープでの審査ということが多かったのだが、最近はMDでの審査が可能になった。予選を担当するESSの実行委員に、「MDでお願い」と頼んでおけば、テープの代わりにMDがくる。

MDの最大の利点はなんといっても頭だしが出来ることである。もう一度気になったSpeechを聞き返したくなったときに、すぐにそのSpeechまで辿り着くことが出来る。
気の利いた大会では、MDのテロップにSpeaking OrderとTitleを表示するようにあらかじめ編集してくれているので、Speechを探すのに非常に便利だ

実はMDにはもう一つの利点がある。MDは各トラックの録音時間が何分だかが一目でわかるようになっている。テープのときは各々のSpeechの時間などわからなかった。しかし、
MDでは録音時間が一発でわかってしまうのだ。

皆さんびっくりすると思うけど(実際僕もびっくりした)、
「本番は8分でカットです」とルールとして明言されている大会に、8分30秒とか9分台のSpeechを送ってくる人がたくさんいるのだ。もちろんルールだから、8分カットの大会で、「8分5秒(Title Callの時間は除く)もこのSpeechはかかっている」ということがわかった瞬間に私はそのSpeechを失格にする。どんなに英語や内容が良くても失格にせざるを得ないのだから、これほどもったいない凡ミスは他にはない。テープは取り直しが何度も出来るのに、チェックもせずにルール違反のSpeechを送ってくるSpeakerは注意不足である。

これからは、
大会実行委員の間でも、「時間制限を越えたものは失格」ということを事前に明記したほうがいいかもしれない。そこまでしてあげれば、時間オーバーのテープを送ってくる人は少なくなるだろう。そして、Judgeに原稿とテープを渡す前に、実行委員会が録音時間を厳しくチェックして、時間制限違反のSpeechはそもそもJudgeに渡さないで、委員会内で失格にしてしまえばいい。大量の原稿の山を目の前にして呆然としているJudgeにとっては、時間制限のチェックも結構骨の折れる仕事なのだ


Win


Speech大会になると毎年必ず突飛なカッコをする人がいる。男だったらホストのような紫色の下地にこれみよがしな縦縞が入ったスーツを羽織って、ネクタイは趣味の悪いワインレッド。女だったらいきなりチャイナドレスで登場して、頭には巨大な髪留めを乗っけて壇上に上がる。

別に個人の服装は自由だから、僕にとってはどうでもいい話なんだけど、本人達は一体どういうつもりなのだろう。そもそも、SpeakerはSpeechで勝負をする人間。別に服装で勝負をしているわけではない。だったら、なるべく審査員から嫌われないような服装を身にまとって、勝負の行方は自分のSpeechのみに委ねたほうがいい

男性Judgeの中には、ミニスカートが大好きだと公言してはばからない方々がいらっしゃる。でも、その人たちにアピールしようとして思いっきりミニスカートなどはいていこうものなら、大御所女性Judge陣から総スカンをくらって撃沈するのは目に見えている。男の場合はもっとひどくて、常識からはみ出た格好は、男性Judgeのみならず女性Judgeの心象も悪化させて、良いことは何もないのだ。

伊勢丹でも高島屋でもいいから、大手の百貨店に行って、イージーオーダーのスーツを一つ作ってしまおう。売り場の専門員の方に、「出来るだけトラディショナルで上品な組み合わせを」と相談しておけば、最適なスーツとシャツとネクタイを選んでくれる。最近は価格も安くなっているから、5-6万円も出せば結構良いものが作れてしまう。

自分のSpeechに自信を持っているのなら、服装で目立とうとなど思わないで、できる限りトラディショナルで上品な服装を心がけたほうが良いだろう。そこで取り揃えたスーツは、やがて始まるであろう就職活動にそのまま転用できるというメリットもある。上品な仕立てはつまらないなどということは全くない。上品な仕立ての中にいかにオシャレ感を出すことできるかが腕の見せ所なのだ。