スパイクマンが本書で主張する主目的は、当時の米国で大きな勢力を持っていた「孤立主義」に反論することにありました。
彼によると、孤立主義者は、
①大西洋と太平洋が天然の外堀となって、旧世界からの攻撃から新世界防衛可能。
②新世界が団結すれば、戦略物資の自給自足は可能。旧世界と関わる必要なし。
しかし、現実は、
①大西洋と太平洋は本質的には「高速道路」であり、旧世界から完全防御できる外堀にはならない。
②南北アメリカ大陸で完全な戦略物資の自給自足は困難。特に天然ゴム等重要な農業生産物の戦略物資の自給自足は多大なコストとマンパワーが必要。
③戦略物資の自給自足以上に問題なのは、小麦等の農業生産物の輸出先として新世界が欧州に依存していること。
④特にアルゼンチン等は小麦等の輸出先として欧州に依存しているため、欧州を制覇したドイツの意向に逆らえない。
⑤南米特に赤道以南の諸国は文化伝統が北米と大きく異なり、また政治体制もファシズム体制に親和性があり、新世界の団結は困難。
以上のため、孤立主義は孤立主義でアメリカの安全は担保できない、と主張します。
この現状は、根本的には現在も変わらないと思います。