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Dr.ツクールの発明ノート

大発明家のDr.ツクール・ガラクータです。 ぼくは発明品を作ったり、世界中に出かけてあちこち見てきたり、 時には悪人やバケモノを退治したりと、なんだかんだ楽しく暮らしています。
ここではDr.ツクールの世界観を物語や絵で紹介して行きます。

秋のおとずれが少しだけぼくの靴先をかすめ、木陰からこぼれる日差しに少しだけ愁いがまじる頃。
長く延びる影が街路にうつる夕刻の一時、夕食には少しはやく、かえるにもまだはやい。

こんな時はあの店へ行こう。

どうしよう。あの子にメールしてみようか。
簡素な文面で、ささやかなお誘いを送信してみる。

今日はおなじみの顔にも出会えるだろうか。

ぼくのなじみの店はhigh garden。
至高の庭だ。

都会のまん中に、美しい庭があるなんて、だれが考えるだろうか、でもここにはそれがあるのだ。

入口は中王区の手抜き工事(小路)の7丁目、ムズムズスペースの閉店した店の開かずのドア。

合言葉はノック三回に「エデンまで半マイル」

カチャリと鍵が開き、扉の奥に暗い道があらはれる。
ここは平行次元の時の狭間。あらゆる次元と時間の干渉を受けない、隙間中の隙間なのだ。

木々や草花が茂る小路を抜けると、古い一軒家を改装した小さなカフェがある。

ドードー鳥がぼくを出迎えてくれる。
名前はノラ。名前通り何故か、ここにさまよって来たのだ。
どうやって次元間をこえて来たのかは、神のみぞ知るだ。

とても人なつこくて、可愛い鳥(顔はぶさいくだけど)だ。
おまけに賢い。
ぼくをおぼえてくれていて、グワァ、グワァ鳴いてついて来て歓迎してくれる。
こんな人なつこい優しい鳥を絶滅させるなんて人はなんて罪ぶかい。

本来の入口は玄関なんだけど、ぼくら常連は縁側のオープンテラス側の入口から入る。
ドードーは自分の立場をわきまえているのか、庭先で止まって店内には入ってこない。
かしこいね。

この店の主は、だれからも愛されるステキな女神さま。その柔らかい笑顔がぼくらの心を和ませる。
この庭の植物がいつも若々しく、年中美しい花が咲いているのは彼女の魔法の力によるものだ。
まさに地上の楽園。
次元の狭間なので、時間の進み方もおそい。
こちらでの3時間は向こうで1時間ぐらい。

「あら、つくーるさんおかえりなさい」

常連はおかえりなさいなのだ。
「ただいま、七日(ナノカ)さん」
神が六日で世界をつくり、七日目をおやすみにしたのと同じくここは、心休まる場所なのだ。

ぼくらの家だから。

「はい、いつものね」
七日さんがぼくだけに出してくれるオリジナルカクテル。ピンク・ストロベリーは甘くて優しくてとろけてしまう。
(↑カルーア苺ミルク味のカクテル)

店内にはすでに知った顔が揃っていて、なんだかうれしい。

奥のソファ席にはペロ子とすんごくさん、ミナムくんの3人。

カウンター席にはスゥーさん、詩乃さん、リr.さん。

皆、ステキな魔法を使う仲間だ。

「おつかれさま~」と皆と乾杯。

待ち合わせした訳でもないのに、こんな日は次々と知った顔が集まる、修さんに、菓子実さんとアツケさん。
soramimiさんも来た。
どんだけみんなこの店が好きなんだか(笑)
ここに来る人たちは家族だ。みんなとても良い人ばかり。

たわいない話しから、近況、魔法についてのまじめな話しから、恋ばなまで、なんだか話しは尽きないし、話さなくても安心できるし。

携帯が光って、メールの返信が来たっ。
「7時ぐらいに行くよ~」だって。あはは。

もう一杯ぐらい飲もうか。
何注文しようか?
メニューを開いて見る。


ABCビール(エビシビール)あります。

プレミアムワルツ

………
や、ビールかな。
どうしよう?

結局「おかわり」にした(笑)
ピンク・ストロベリー。これがなにより落ちつくや。

玄関が開いて、あの子が来た!
「つくーるさん、おまたせ~」

外野がにわかにうるさくなる。
そんなにぼくが女の子と一緒だとめずらしいか。

や、でもみんなに紹介できるのはうれしくもあるな。
えへへ。
見たいだけ、見ればよいさ。
うん、可愛いな~。

彼女はビールでとりあえず乾杯。

お腹がすいて来た頃に、七日さんは安くてとっても美味しい料理を出してくれる。

七日さんは料理も魔法と考えていて、季節の美味しい素材や、庭でとれた野菜やハーブ、それと各種ヒーリングの魔法も込めてその人に相応しい料理を出してくれる。

味には魔法は込めてないって話すけど、ぼくはこんなに美味しい料理を出すお店は知らない。
一口食べただけでほんとに楽園。
野菜はとくに味が濃くて、これがほんとの野菜本来の味だって知った。
とくに七日さんの庭の菜園には外界の珍しい野菜もたくさんあって、見たこともない野菜もたくさん知った。

今日のメニューは
「ホワイト&ブラックシチュー」
南極牛のミルクベースの秋野菜シチューと、黒トマト入りのタンシチュー。
2人で注文。
うまいなー。野菜もタンもとろとろにとろける。
シチューも濃厚だ。
彼女も笑顔。
うれしいね。

これにパンかライス、季節の野菜サラダがついて700円。


お腹もいっぱいになって、ほろ酔い気分でテラスから庭に出て、二人で夜の庭を眺める。
美しいな。

「きれいだね」
「うん」

芝生にねころがって星空を見上げた。

なんてステキな夜だろうか。

ここは至高の庭。


2008/09/03

high garden加筆、修正しました。

若干名関係者の名前らしきものが出て来ますが、実在の人物には関係ありません。おゆるしを。
フィクションです。