晩秋.
完璧な真鯖が手に入ると
しめ鯖以外に思いつかない.
弾丸のような魚体に
惚れ直す.
“切れる”包丁で
手早く3枚下ろし.
身を崩さぬように.
そして,
驚くことなかれ.
まずは砂糖.
30分程
砂糖で絞めることで
塩気が必要以上に身に入らなくなる.
まろやかなしめ鯖に砂糖は必須.
次に塩で締める.
いい塩を使用する.
表面が白くかぶるくらいの
ベタ塩にする.
2時間程塩で締める.
寄生虫の
アニサキスがいるとしたら,
ベタ塩の浸透圧変化で殺しているのだろう.
アニサキスは酢では死なない.
アニサキスに過去3回あたっている
私が証人である.
締め鯖では
塩を“振る”ではなく,
“ベタ塩” にする,には
確固とした理由が存在し,
古人の行き着いた“知恵”なのだろう.
塩を洗い流し,
よく水気を拭き取り,
昆布を入れた米酢に浸ける.
最低1時間は浸ける.
後は,
個人の好み.
2時間ほど酢に浸けたもの.
最初に,
砂糖で締めてあるため,
必要以上に
身が縮まない.
頭側から皮を剥ぐ.
腹側は丁寧に剥がないと
身が崩れる.
ここまで来たら
キレイに仕上げたい.
脂の乗った腹身(マグロでいう大トロの部分)を
上手く残しながら腹骨を削ぐ.
中骨を丁寧に取り除く.
コレで基本完成!
このままでも十分な完成度だが,
表面の皮目を軽く炙ると
香が立ち,
更に別次元のものに昇華する.
鹿の子包丁をいれて,
バーナーで軽く表面を炙る.
宝石のような瑠璃色と
炙ることで現れるいぶし銀の
見事なコントラスト.
ここだけは
最高の日本酒を用意することにしている.








