うつで苦しんだ経験を活かす | 精神科医:みえしん院長

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最近ブログも頑張って書いています。
 
いきなりですが、私たちの協会にはカウンセラーを目指している方がたくさんいらっしゃいます。実は自ら「うつ病」などのメンタルを治療中、闘病中でカウンセラーを目指しているor現役のカウンセラーも多いです。
 
ニヤリプロのカウンセラーになる
ニヤリそのための養成講座を受講する
 
一般の方なら唐突で、もしかしたら単なる思いつきの場合だってあるかもしれない。
 
でも「現役うつ」「うつ経験者」の場合それは違います!!
 
よくあるのが「以前から私は、自分がうつ病である経験を活かし、いつの日かメンタルで苦しむ人の力になりたいと思っていました」といった感じの志望理由。
 
お薬の治療だけでなく、ご自分もカウンセリングを受けていて、その影響もあってカウンセラーを目指す方も多いですね。
 
皆さんのスタートのタイミングは興味深いです。巡り合わせというのか・・・
 
「誰かの力になりたいとは以前から思っていたけれど、たまたまHPを見て・・・」その方のタイミングにフィットする何かがきっかけになることが多いようです。
「こちらの協会の講座が自分の方にやってきた感覚がしています」とおっしゃっていた方もいました。
 
人生のいろいろな出来事に、決して無駄はありません。
うつ治療中のある現役プロカウンセラーは「今はうつ病になったことも、無駄なことではなかったと思えます」「おかげで、うつ病で苦しんでいる人の気持ちがわかる」と。
 
もしかしたら「自分の人生には不快で無駄なことばかり起きている」と思う人もいるかもしれない。
 
一朝一夕で上のカウンセラーのように風に思えることはまれです。でもネガティブな感情を感じるのも本人だけですが、それを減らす・無くせるのも本人だけなのです。
 
そしてそのための方法は、ネガティブな感情をポジティブなものに単に置き換えたり、無理にボジティブシンキングにすることでは決してない。
 
私は、「今ここでの自分の感情を正しく知り、そしてきちんと感じる」ことが大切と思っています。

もちろんそのためにはお薬が必要になることも多いでしょう。うつなどのメンタルは基本的に脳の病気です。脳の機能が変調をきたしていたら、きちんと感情を知ることなんてできるわけない
 
でも、薬だけでは精神医学的に落ち着いても、その人自身のネガティブのループをまた繰り返してしまうことも多いです。
 
だから私たちのクリニックで治療している人の一定の方は併設の協会でカウンセリングを受け、一部の方はメンタルヘルス講座を受講して精神医学や心理学を学ぶことを選ばれます。
 
ただ、うつなどを経験するだけでは自分の体験を話すことはできても、「苦しんでいる人のために必要なサービスを提供する技術はない」です。当たり前です。
 
ただの「うつ経験者」です。でも経験と知識がうまく混じれば、力を発揮し、ご自分のためにも、人のためにも、社会のためにも役立てることができます。
 
私たちは、いい加減なことはしない。薬も活用するし、カウンセリングも使う、福祉など社会の制度も活用します。
今まさに本気で苦しんでいるあなたも、数か月後、誰かをサポートできるカウンセラーになれるかもしれません。