第一印象にとらわれないためには・・・ | 精神科医:みえしん院長

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おはようございます(こんにちは)。三重心身クリニックのドクター臼井ですニコニコ


三重心身クリニックでは一般の保険診療とは別に、カウンセリングも行っております。
通常の保険診療に比べて、定期的、継続的に面接の時間・場所・相手が保証されるのが特徴です。
臼井卓士のブログ
カウンセリングとは、話すこと―「対話」によるこころのケアのことです。
私は、メンタルヘルスに対しては、医師による診察・薬の処方だけではなく、カウンセリングも大切だと考えている精神科医です。


前回は、第一印象が、観察する側がその人らしい特徴を、表現されている手がかりをヒントにうまく認識できている場合は、当っていることをお伝えしました。一方で人間には「初めの印象が強力だとそのあとの普通の情報には、注意がはらえなくなる」「第一印象と相いれない情報を無視したり否定したりしてしまう傾向」もあることをお伝えしました(→過去記事 )。


さて第一印象の形成のされ方や固定の程度は、やはり人によって様々です。私の元同僚には有名な大学を出た心理士などが何人もいますが、その中でもすぐ人を決めつけ、レッテルを張ってしか人を見られないような人もいました(もちろん心理士にもいろいろな人がいますので、あくまでその人たちは、ということです)。そのような職種の人やあるいは言動に影響力のある人がレッテルを張るとなると貼られてしまう側は本当にいい迷惑だな・・・と感じたことがございます。

ともあれ、人は第一印象というか、固定観念というか、「いったんこうだ」と思いこむとなかなか改めにくいものですし、そもそも自分でレッテルや固定観念という認識ができないことがもっと大きな問題でしょう。


特に第一印象は、危険です。第一印象とは人間の「客観的な情報がなくてもその人について様々な印象を作り上げる能力」のたまものだからです。


私はかつて後輩に指導するときに、第一印象にはあまり重きを置かないように注意していました。その時例えに出したのは、
「第一印象の悪い詐欺師はいない」
でした(恥あせる)。
でもそのように注意するだけで、コミュニケーション・協働作業・やり取りといった対人関係のプロセスを重視したその人に関する判断が有効にできるようになります。第一印象にこだわると、なかなか改まりにくいのです。

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