第一印象は正しいのか | 精神科医:みえしん院長

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三重心身クリニックでは一般の保険診療とは別に、カウンセリングも行っております。
通常の保険診療に比べて、定期的、継続的に面接の時間・場所・相手が保証されるのが特徴です。
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カウンセリングとは、話すこと―「対話」によるこころのケアのことです。
私は、メンタルヘルスに対しては、医師による診察・薬の処方だけではなく、カウンセリングも大切だと考えている精神科医です。


前回は、第一印象の形成され方、どういった手掛かりで形成されるのか、そして第一印象は判断される側だけでなく、判断する人の考え方、思考の枠組みによっても影響されることをお伝えしました(→過去記事 )。


さて、気になるところですが、第一印象というものは正しいものなのでしょうか?
「第一印象は怖そうだったけど、実際には思慮深い人であることが分かった」ということもあるでしょう。ただ、相手の印象が付き合いの中で次第に悪くなる場合「そういえば初対面の時○○と言うことがあった。やっぱり直感は信じるべきだった」・・・このように感じることは多いでしょう。
結論としてどちらともいえないとなるのですが、後者のほうが記憶に強く残るので、「第一印象は大切」という教訓となるのかもしれません。


私見ですが、初対面の第一印象(=ファーストインプレッション)であろうが、長い付き合いの中で得られた印象であろうが、
観察する側がその人らしい特徴を、表現されている手がかりをヒントにうまく認識できている場合
は、インプレッションは当っていると思います。


人に良い印象を与えようといくら演出しても、そのようなうわべだけのものは長続きしませんし、思わぬところから実態が露呈してしまうものです。付き合いが長くなればなるほどそうなります。


第一印象は前回(→過去記事 )もお伝えしましたが、いったん形成されると、事実と異なっていてもその印象がそのまま続いてしまうことがよくあります。私はたとえとして、「カレーなどの香辛料」をあげます。強力な味の後では繊細なサラダやお刺身の味はわかりにくいですよね。印象も同じで、
初めの印象が強力だとそのあとの普通の情報には、注意がはらえなくなる
のです。心理学用語で「特定の刺激情報を選択的に知覚すること」を「選択的注意」と言いますが、まさにその好例と言えるでしょう。


また、同じく前回記事のスーパーの店員さんの例のように、人間には、
第一印象と相いれない情報を無視したり否定したりしてしまう傾向
すらあるのです。ちなみに心理学の防衛機制に関する用語に「否認」というものがありますが、これも一つの例といえるでしょう。



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