ダイビングと健康~花粉症・アレルギー性鼻炎編 | 精神科医:みえしん院長

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おはようございます(こんにちは)。三重心身クリニックの臼井卓士ですニコニコ


前回は「鼻炎で耳抜きができない」「花粉症の時期、薬を飲むと眠くなるが飲まないと潜れない」といった悩みについてのイントロダクションとして、圧平衡(=耳抜き)や、耳の構造について少しお伝えしました(→過去記事 )。今回はその上で、花粉症やアレルギー性鼻炎の対策についてお伝えしていきます。


ダイビングは、多くのスポーツやアドベンチャーに比べて安全性が高いレジャーと言えますが、やはり自然相手ですし、水の中でのレジャーですのでやはりそれなりの危険は想定しておく必要があります。ダイビングにおいては、スキルアップも大切ですが、自分の体調を整えて楽しむことがトラブルの予防に大切です。また健康問題についてはダイビングに限らず他のスポーツにも共通しているものも多いと思います。


さて、鼻がむずむず、鼻が詰まって息がしにくい、涙が止まらない・・・花粉症の時期だけの人もいれば、ハウスダストのように年中苦しい思いをされている方もいらっしゃいます。花粉症もハウスダストなどによる鼻の症状もアレルギー性鼻炎の一つです。アレルギー性鼻炎の方がダイビングで困るのは、


①圧平衡(=耳抜き)ができない
②くしゃみが止まらない
③目がかゆくて気になる
④鼻水が気になる

②③④は基本はアレルギーのコントロールが必要です。後述しますが、お薬をしっかり活用しましょう。②は水中に入ると落ち着いてくることが多いですが、続くと結構困りますよ。

一番深刻なのは①です。耳抜きができないのは前回(→過去記事 )に書いたように、鼻の粘膜の炎症により耳管が狭くなるからです。ほかにも液体(滲出液)が中耳腔にたまり、中耳腔に空気を送り込めなくなっていることもあります。このままダイビングを続けると水圧がどんどん高まり(スクイズ)、耳が痛くなります。鼓膜に穴が開くこともあるので耳抜きができない状態でダイビングを続けてはいけません


花粉症、アレルギー性鼻炎のお薬は市販されている物もありますが、大抵眠気を催す成分が含まれています。ダイビング中の判断力を低下させ危険ですので飲むのはやめた方がよいです。

三重心身クリニックでよく処方するのは、以下の薬剤です。
①クラリチン®(ロラタジン):眠気はほとんど出ませんが、効果も弱めです。花粉症の方が症状が出る前に飲むのに適しています。


②アレグラ®(フェキソフェナジン塩酸塩):お勧めですベル比較的速効性で、服用後、まもなく(1時間程度で)効果がでてきます。ただし十分な効果があらわれるまでに数日かかる場合があります

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③アルデシンAQネーザル50μg®(=リノコートパウダースプレー®:プロピオン酸ベクロメタゾン):とくに鼻づまりのひどい場合(鼻閉型によく処方します。実は一般的な抗アレルギー薬は“鼻づまり”になってしまうと効きにくいのですが、この薬は鼻が詰まってしまってからでも効果が高いです。1~3日続けると効果がでてきます。鼻粘膜に直接作用しますので、全身の副作用はほとんど出ないのも特長です

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他にもいくつかありますが、ブログ上ではここまでにします。
いずれにせよこれらは市販薬ではありません。事前に信頼できる医師にあなたに合うものを処方してもらってからダイビングに行きましょ

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