メンタルヘルス不調は栄養にも原因が・・・ | 精神科医:みえしん院長

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おはようございます(こんにちは)。三重心身クリニックの臼井卓士ですニコニコ
三重心身クリニックではこころの病やメンタルヘルス不調に対し、お薬の処方をしたり、カウンセリングでの治療も行っていますが、分子
整合栄養医学という学問に基づいた、栄養素による治療も行っております。
さて前回は、分子整合栄養医学の治療では、うつ状態などで低下したセロトニンなどの神経伝達物質を合成するときの材料や合成に必要な
栄養素を補給することをお伝えしました。たとえばアミノ酸、鉄、亜鉛、ビタミンB群などをバランス良く積極的に取り入れることによって身体がセロトニンを必要なだけ合成できるするのでしたね(→過去記事 )。
さて三重心身クリニックの分子整合栄養医学外来を受診されるクライアントの方は、愛知県、大阪、滋賀、静岡、和歌山、岐阜、兵庫県・
・・と遠方からもたくさんいらっしゃいます。私どものクリニックを頼ってはるばるお越しいただいているのは本当にうれしい限りです。

私は分子整合栄養医学の治療が広く普及すれば、精神科の治療におけるお薬の使用は減り、副作用の悩みも解決すると思っています。それのみならずそもそもメンタルヘルス不調に陥りにくいこころ=脳の健康づくりにも役立つと思っています(→過去記事 )。しかし先ほど遠方からのクライアントが多いと書きましたが、現在のところこの分子整合栄養医学による治療に取り組んでいる医療機関は非常に少数なのです。クライアントの方は皆様必死に実施できる医療機関を探し、遠方からもいらっしゃるのです。日本では新宿溝口クリニックの溝口徹先生などが中心に普及に努めておられますが、まだまだ医療の世界での認知が高まるのは時間がかかりそうです。
これまでも何度も書いてきました通り、分子整合栄養医学の治療では、「うつ」をはじめとするメンタルヘルス不調、そして身体の様々な
症状の原因が栄養素の不足・欠乏にあるという考えが基本になっています。このように書くと「今の日本で栄養素の不足?!」と怪訝に思われる方もいらっしゃると思いますが、化学肥料などにより確実に農作物に含まれている栄養素は減っています。また冷凍保存技術の進歩は素晴らしく、食物は腐らず見かけはきれいです。しかしそのため私たちの口に届くまでに保存により栄養素は減ってしまっているのです。つまり私たちがいくら食事に気をつけても摂取できる栄養素は減ってしまっているのかもしれないのです。
さて話を戻します。たしかにメンタルヘルス不調にせよ、身体の不調にせよ環境や性格、習慣もかかわっています。栄養だけがすべての原
因とはいえないでしょう。私は心療内科・精神科が専門なのでメンタルヘルス領域ではこれまで何千人もの患者さんの診察をしてきました。しかし私の少ない経験からいっても栄養がほとんど関わっていないメンタルヘルス不調は数パーセント程度だと思ってきました。溝口先生が講演などでよくおっしゃっていますが、「特にうつ病やパニック障害に悩む方の95%は食事や栄養に何らかの問題がある」と私も感じます。
長くなりますので今日はこのあたりで失礼します。

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