活性酸素と免疫 | 精神科医:みえしん院長

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ご無沙汰しています。最近免疫と栄養について書いていましたが、中断が長くなりました。
免疫においては「貪食細胞」と呼ばれるアクセサリー細胞の働きが重要になります。とりわけマクロ
ファージと多核白血球(好中球)が重要です。さて病原性の細菌類などは、以下の図のようなプロセスで体内で処理されます。


臼井卓士のブログ

(笹月健彦(訳).免疫生物学 免疫系の正常と病理.東京:南江堂;1995.)

まず、抗体が結合し、それをマクロファージなどが認識すると細菌などを取り込み、ファゴソームといわれる小胞が形成されます。ファゴソームはファゴリソソームとなりその中で細菌などが破壊されます。以上は免疫学のお話です。ちょっと難しかったかもしれません。
さて、前置きはこれくらいにして、分子整合栄養医学との関連について書いていきます。
下の図は活性酸素の生成反応を示したものです。活性酸素は「悪者」のイメージがあると思うのです
が、貪食細胞が細菌を破壊するためにはとても重要です。またファゴリソソーム内で病原体に対してのみ作用するよう制御されています。


臼井卓士のブログ

水酸化ラジカル (hydroxyl radical) はOH・ と表されます。いわゆる活性酸素と呼ばれる分子種のなかでは最も反応性が高く、最も酸化力が強く、タンパク質や脂質など生体内のあらゆる物質と反応します。生成には二価の鉄が必要です。次亜塩素酸(OCL-)も酸性条件で過酸化水素と二価の鉄が反応することにより生成されます。 これらの抗菌物質が細菌などを破壊するのです。
鉄が大切なことがお分かりいただけたでしょうか?当院で分子整合栄養医学外来を利用中の患者さまで「ヘム鉄を
摂ってください」と指示された方はみなさん「鉄不足」です。鉄を補い、抵抗力をつけましょう。
ちなみに、活性酸素は必要がなくなったら早目に消去しなければなりません。必要な場所・時間以外では生
体に有害だからです。人体から活性酸素を除去する物質にはビタミンE、リノール酸、システイン、フラボノイド、グルタチオン、α-リポ酸、ビタミンCなどがあります。合わせて補給しましょう。