昨日は朝10時から午後4時まで、予約して遠くから来て下さった患者様にご奉仕
パートナーのドクターたちが「僕たちが代わりに手術します」って言うが
やり繰りして僕の都合に合わせてバストデー予約して来て下さったんだもん、僕が手術してさしあげなくっちゃ失礼じゃないか
高須クリニックのバスト手術はドクター高須がやるんだい
こんな楽しい仕事、他人にまかせてなるものか
トマトのように腫れ上がった顔をマスクで隠し、にこやかに患者様の不安を取り除く
「僕が心をこめて手術いたします。どうぞご安心下さい」
安心した患者様の笑顔って、大好きだ
それにしても
熱で体がだるい
冷たい水で顔を洗い、気合いをいれて手術にかかる
熱があるとゴルフはめためただが、手術のできは最高だ。自画自賛じゃないよ。死にかけてると、ゾーンに入れるんじゃないかな。
わしは『神の手』を手に入れたのかもしれん
至福の時間が過ぎて行く
三時半に歯医者が助手を連れてやってきた
歯医者の顔見ただけで顎が痛くなり血圧上昇
高須院長はパブロフの犬だな・・・・・
腕っこき麻酔医に、ひたすら痛くないことを哀願する、情けないかっちゃん
笑顔で「たっぷり麻薬を使いますからね。全然痛くないです。天国にいけますよ」
そりゃいいわ
天国って一度行って見たかったんだ
♪天国よいとこ
一度はおいで
酒はうまいし
ねーちゃんはきれいだ ♪
酒は飲めないし
僕はきれいなねーちゃんをつくることが好きなんだから
完成品には興味がないんだ
なんかつまらなさそうだな
ま いいか
後で話しのたねになる
教祖も僕の命懸けのレポートを高く評価するであろう
「さあ麻酔をかけますよ」マスクから酸素が流れこんできた。軽い血管痛があるので点滴チューブを通じて麻薬と麻酔薬が血管に流れ込むのがわかる。
すごく気持ちいい。幸せな気分
もうすぐシヅ先生や僕の大好きなおばあちゃんやお父さんと会えるかもしれない。なんとなく楽しい
シヅ先生も死ぬときこんな感じだったんだろな
このまま死んでもいいや
意識を失う直前、煩悩が抵抗した
『天国から帰れなくなったら、へそくりはどうなる?
貸した金はちゃらにされちゃう!
息子達に言い残すことがまだいっぱい残っている!』
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深夜
電話が鳴って目がさめた
僕はホテルニューオータニにいるみたいだ
手術は終わったらしい。付き添いがいないから。死ぬ心配はないらしい。
電話はたぶん教祖様から・・・・・・・・・だと思う
何話したか記憶がない
麻酔が残っているうちは記憶力が低下してるから、夢と現実がごっちゃになるんだ。
さっき目が覚めた
今から
現状把握をせにゃなわんな
あ
壁に注意書きが張ってある
なになに
『目が覚めたら、すぐにこの抗生物質を飲む
固形物はダメ
うがいを何回もすること
鼻を強くかまないこと
上顎洞にドレーンが入れてあるので、赤坂高須クリニックで、ドレーンを通じて上顎洞内を毎日洗浄する
ゴルフ禁止(練習もダメ)』
赤坂高須クリニックの梅崎主任の字で
その下に
僕のサインがある
僕が梅崎主任に指示して書かせたものであろう
洗浄は痛そうだな
また
腕っこき麻酔医呼ぼうかな