永眠した日、まくらもとに遺されていたメモ
子供たちや
孫たちに伝えたかった遺訓にちがいない
自分たちが死ぬ時、後悔しないよう
シヅ先生の悟りを
子孫たちに遺したんだろう
忌明け法要のとき
僕が直接彼らに伝える
二十四項目ある
最初の四つは
シヅ先生自身の後悔に違いない
1)健康を大切にしなかったこと
2)遺産をどうするか決めなかったこと
3)夢をかなえられなかったこと
4)故郷に帰らなかったこと
ここで線が引いてある
この後は
シヅ先生が後悔していない遺訓だ
5)生きたい場所に旅行しなかったこと
世界中、二人で旅行したね。心残りはなかったはずだ。「行きたい」を「生きたい」と書き間違えてる。生きたかったんだねシヅ先生。代わってあげたかったよ
6)美しいものを食べなかったこと
美しいものと美味しいものにはめがなかったシヅ先生。
見つけたら、僕がお供をして何処へでも出かけていったね。
7)趣味に時間を割かなかったこと
競馬のサークルと俳句の仲間、ロータリークラブ活動で趣味の人になってたね。そうそうゴルフは僕より上手だったね。
楽しかったね。
8)会いたい人に会わなかったこと
会いたい人には全部会ったね。大丈夫なはず。僕が段取りしたもん。
9)自分の葬儀を考えなかったこと
「香典もお花も全部引き受けて。立派な葬儀をしてね。地味にしちゃいやよ。葬儀はあなたへの評価でもあるんだからね。それから、香典は全額日赤に寄附すること」
わかったよ。あなたの言い付けどおりやりましたよ。
ホントはオロオロして何にするきになれなかったんだ。だけど遺言だから・・・・健気に振る舞ったかっちゃんをほめてくれよ。
10)やりたいことをやらなかったこと
僕たちはやりたいことは何でもやったね。「自分を楽しんでいますかYES高須クリニックだもんね。」
11)人にやさしくしなかったこと
シヅ先生はもともとやさしいひとなんだ
照れ屋なので、クールな顔して、善行を積んでるのを僕は知ってた。すごくやさしいんだ。
12)心に残る恋愛をしなかったこと
シヅ先生は僕以外の人には関心がなかったように見えた。間違いない。十八才の時からの戦友なんだ。
心に残る恋愛って僕とのやつに違いない。
13)結婚をしなかったこと
僕たち結婚したもん。よかったね。後悔してないもんね。
14)子供を生み育てなかったこと
僕が生まれるまで百年間、女の子しか生まれなかった高須家で三人の立派な男の子を生み育ててくれてありがとう。えらい。ほめてあげる。
誇らしいだろ?
15)子供を結婚させなかったこと。
三人の息子たちは自分で嫁さんを見つけてきて、結婚してくれた。
結婚式のとき、僕たちは最高に幸せだったよ。
ここで
また
線が引いてある
息子たちへの
遠回しの説教だな
16)悪事に手を染めてしまったこと
シヅ先生は正義感が強く、僕はいつも説教されてた。結果的に脱税に問われてしまった僕のDNAを危ぶんでるのかな?
「誰が払うかそんな金。脱税できるかな」はギャグですよう。
17)タバコをやめなかったこと。
母も祖母もヘビースモーカーだ。
僕もシヅ先生もタバコを吸わない。
これは子孫への警鐘だな。
18)感情に振り回された一生を過ごしてしまったこと。
僕たちは力を合わせて注意深く感情をコントロールして、誇り高く生きてきた。
僕は喧嘩っ早くて何でも破壊したいDNAがあるようだ、シヅ先生がいなかったら、キレて一生を台なしにしてたに違いない。
奥さんがた頼むよ。上手く亭主のたずなをとってね。
19)自分が一番だと信じて疑わず生きてしまったこと
あ こりゃ 僕への苦言じゃないかな
わかりましたよ
謙虚にします
息子たち孫たち僕の真似するんじゃないよ
ここで
また
線が引いてある
死ぬ直前の心境だな
20)死を不幸だと思ってしまったこと
21)神仏の教えを
何を書こうとしたんだろ?
22)生前の意志を示さなかったこと
23)残された時間を大切に過ごさなかったこと
24)自分の生きた証を残さなかったこと
いかん
涙で眼がかすんで・・・・・・・コメントが書けん
酔っ払うしかない