明日、十月から始まる僕の新番組の打ち合わせを、このホテルで行う
いまプロデュースするシヅ先生とホテル到着
たしか、このホテルは
僕の旧友がオーナー一族の一人だったはずだ
香港返還のとき、大富豪の多くはイギリスやカナダ、オーストラリアなどの旧英連邦に亡命してしまったが、友情は今も続いている
香港の大富豪の発想は
昔の中国の王侯貴族そのまま
僕の時代の日本人は
勤勉と勉強が美徳だったが
中国の王侯貴族は
働く者や
学問を身につけた者を
使いこなすのが美徳で
働く労働者や奴隷は賎しむべき人々であり
学者や官僚はシステムの管理人
兵士や武術の名人はボディガードかエンターテイナーだったんだ
大富豪の友人から質問されたことがある
「ミスター・高須、日本人はよく勉強するね。なんでだろう?」
「ミスター・ヤンそれはね、日本は学歴社会なんだ。中国の科挙制度が生き残ってて、いい学歴のものが上流階級になれるんだ」
「????上流階級になる?どんないいことがあるんだい?」
「官僚や政治家や大学教授や大会社の役員になって、みんなに尊敬されてる。?いや?、尊敬されるとは限らないな?」
「そんな奴らが上流階級かい!日本人は古い支配者階級に騙されてる。現状に疑問を持たせず、支配されやすい教育をして、反抗しない働き者を作るのが日帝の手口だよ」
「ミスター・ヤン、君は大学に行かないの?
「大学ならいくつも経営してる。オックスフォードやハーバードなら、僕は、いつでも入学できるよ」
けた違いの寄附をした篤志家は
入学枠があるんだって
そういえば
日本を代表する
尊敬すべき創業者や
お札になってる
偉人って
お仕着せ教育で優秀な成績をおさめた人が
ほとんどいないや
造反有理
誰不払其金
主権在民なんだから
僕たちが主人のはずだ
「お上」に唯々諾々と従うように教える教育って
間違ってるかもしれないね
ま
したたかな悪代官や越後屋が
「鎮まれ~鎮まれ~このかたをどなたと心得るか~」って
葵の印籠見せられただけで
「へへーっ!」って
恐れ入るのも
教育のたまものだもんね
暴れん坊将軍や水戸黄門なんて
勉強したり働いたりして
手に入れた地位じゃないもんね
むしろ
悪代官や越後屋のほうが
勉強して働いた苦労の人なんじゃないかな
努力の人々じゃないか
反省してるのに切腹、市中引き回しの上、はりつけ獄門じゃ可哀相だよ
たまには
越後家のかたを持ってやりたくなる
三河屋
「正義はいくつもあるのよ」って
ドーベルマンかあさんはいつも言ってる