母の誕生日の
前祝い持って
一色に向かう
僕の友達は
ラッキーやポッキーばかりではない
一色の高須邸では
コブタの
プーコやプータローやプージロウたちが
僕の帰りをまっている
母に
プレゼント渡したら
後で遊んであげるからね
一色の漁師のガキどもには
「シロブタのかっちゃん」はずいぶんイジメられたもんだ
それ以来
シロブタの人形は
僕の友達
若いときは
いじけた僕は
「２０世紀少年」の『ともだち』の気持ちがよくわかったが
法王になってからは
慈しむ気持ちばかりになってしまった
明日は
獰猛漁師の伜だった２０世紀少年のなれのはてのリハビリ老人達と
医療法人福祉会高須病院で
再会する
「かっちゃん、むかしは楽しかったのう」
こいつは 僕を
イジメるとき
櫂で突きまくったやつだ僕をしぬほど痛めつけたことなど
ケロッと忘れとる
ま
いいか
五十年もたてば
全ては
懐かしい思い出じゃ
僕は
肋骨をへし折ったり
しないから
安心して
おやすみ