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僕の父母の時代までは
医学校は四年制だった

僕の時代には
医学部教育は
教養学部の二年が付け加えられ
六年制になった

教養学部はラテン語とか倫理学とか宗教学とか

教養をつける授業が
必須科目だった

「医者になるのに、無駄なエネルギー消費じゃないか」って
ぼやく僕

「医者になるまでポンチ絵(漫画)禁止」を唱えていた祖母は

教養学部の勉強している僕に目を細めて喜んだものだ
「一見、無駄に見えるものが教養じゃ」

僕は
コミュニケーション手段としての漫画は
文字よりも優れていると思う

何の思索や想像なしでダイレクトに画像で一瞬でコミュニケーションできるんだもの

馬鹿に教育するには
漫画が1番じゃん
楽に勉強できればいいなら、教科書は全部漫画にすれば
効率的だ

効率的なものを廃除することは
教養を付けるのに
必要だと
祖母は言う

多分
麻生首相は
幼児期に漫画を禁止されずに
育った人なのだろう

時間の経過とともに
教養の厚みが
ばれつつある

教養とは
高級漆職人のように
丹念に
幾層にも
漆を塗り重ねて
造るものなのだろう

漫画と文章のコラボレーションである
サイバラ画伯の作品は
思索とダイレクトなコミュニケーションが同時に味わえる

薄い教養の
麻生首相に
一番奨めたい作品群だ

かつては
技術と経済一辺倒だった中国では
この
看板に書いてあるように
「教養ある高級医者」を養成している


ところで

画伯は
映画「レッドクリフ」を見て
気に入ったようだ

でも
あれは

中国版角川映画

壮大な三国志の物語を
アクションシーンたっぷりの
漫画的娯楽映画に創り変えてあるが

著作物としての
三国志のようにワクワクできない

観客に思考させない娯楽作品だ

レッドクリフは
ポンチ絵だ

馬鹿になるよ