SBSH05621.JPG
これが
ドクター・アリの患者様の待ち合い室用の椅子

日本では『お客様は神様』だが、アブダビ・アル・ヌールホスピタルでは『患者様は王族』なんだから
医者より
患者様の椅子が立派なのは当然のことだ

日本では
患者様も神様で
主権在民のはずなのに

国立、公立病院の待ち合い室は
ほとんどが
ベンチシート

あそこに座って
順番待ちするのは
とても
惨め

自動車免許証の申請とか
パスポートの申請とか
お上に何かを頂くときも
同様で

社長であろうと
売れっ子歌手であろうと
すべて平等

惨めで
自分が
お役人さまや特権階級ではなく
ただの一般庶民だと
思い知らされる

日本は
民主主義国家のはずで、納税して、君達の給料払ってあげてるんだからだから
もっと
サービスしてくれても
いいんじゃないか

思う

日本では
サービスさせる裏技がある
犯罪者になると
特別サービスが受けられるんだ

僕がマルサの攻撃を受けて、争ってる最中に
十年間有効だったパスポートの有効期限が切れた

「原則として、現在係争中の被告にはパスポートを発行しない」んだって

そりゃそうだ

国外に逃亡されちゃ
かなわんからね

わかる わかる

でも
マルサと争いながら
何度も海外渡航を繰り返してたんだぜ

パスポートの期限が残り九年あったら
何度でも
逃亡されちゃうとちゃうか?

犯罪者(推定無罪の原則から言えば犯罪者候補者か?)のパスポートの申請は
法務大臣の許可が
いるんだ

法務省に
アメリカ美容外科学会会長からの招待状を添付して
パスポート申請する許可を申請
法務省から
呆気ないくらい迅速に許可が下りた
アメリカ絡みの話しにすると、お役人の仕事は迅速になるみたい

許可証持って
すぐに
名古屋の旅券センターへ

パスポートの申請と更新をする人々でごった返してる
長蛇の列

「ちょっとごめんなさい」
列の先頭に出て
申請事務をしているお嬢さんに質問

法務大臣の許可証をかざしながら
「僕はこういうものなんだけど、皆さんと同様に並ばなきゃいけないんですか?」

受け付け嬢の態度一変
犯罪候補者に交付された許可証が
水戸黄門の印籠みたいに
効いたんだ

受け付け嬢
何だかわからず「法務大臣」のサインとハンコだけ見たのかも
しれない

「どうぞこちらへ」
丁重に
立派な応接間に案内され
偉そうな人が奥から出てきて
テキパキと指示して
あっという間にパスポート作ってくれた

応接間を出ると
さっきの長蛇の列がそのまま

「ありがとう。お世話になりました」と笑顔で礼を言う僕を
怨嗟の眼差しで見る、長蛇の列の皆さん

多分
僕が
政治力か金の力で
特別扱いされてると
思ってたんだろうな

考えてみれば
日本は(日本の法律はと言うべきか?)は
犯罪者に
とても優しい

入獄すれば、衣食住は保証され、セキュリティは完璧なんだから
いい国だと思う

犯罪者の特権って
まだまだ
ありそう

主権が在民じゃないアブダビの医者が
いかに
いい暮らししてるか
これから
語る

続く